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Geneva
“Hello, from the world!”は、世界の様々な街からのファッション・レポートです。
第18回は、赤十字や国連の発祥の地であり、国際オリンピック委員会もある国際都市ジュネーヴから、
田渕恵さんが写真とお便りを送ってくれました。
街のファッションスナップ Hello! from the world VOL.18
 スイスの西端に位置するジュネーヴは、三日月型をしたヨーロッパ最大の湖、レマン湖から流れ出るローヌ川を中心に広がる都市です。3方をフランスに囲まれ、言語はもちろんフランス語。町並みや文化にもフレンチ・テイストが漂います。4月上旬、長かった冬がようやく終わりを告げ、晴れて暖かい日中には湖畔や公園で家族づれやカップルがひなたぼっこをしています。
 今、最高気温は20度、最低気温は10度で、風はまだひんやりしますが、日差しはもう夏のように強く、サングラスがないと眩しくて目が開けられないほどです。空気が澄んでるからでしょうか。サマータイムのおかげで20時すぎまで明るいので、なんだか得している気分です。
大好きなローズピンクにこだわった
“自分流”の“自分らしい”装いがとても素敵
 世界でも最も物価が高い都市の一つと言われるジュネーヴは、学生ができるバイトでも時給が1400円から2000円と割高。そのため、スペイン、イタリア、東欧、北アフリカなどの国から移住、または出稼ぎに来ている人が多く見られ、まさにヨーロッパの人種のるつぼです。街でトラムに乗っていても、いろいろなお国なまりのフランス語が聞こえてきます。
 爽やかな笑顔が印象的なエリーズ・ペリアーさんは、ジュネーヴ生まれの26歳。以前は陶器の学校に通って器を作っていましたが、その時、日本に興味を持ち、日本語も勉強したいと思うようになったそうです。大の日本好きで、大学で日本語を専攻して、私よりも美しい漢字を書きます。趣味は映画鑑賞です。
 スイスでは、ドイツ語(約70%)、フランス語(約20%)、イタリア語(10%弱)、ロマンシュ語(1%)が話されており、小学校の頃から何カ国語かを必修で学んでいるため、スイス人はみんな言語が達者。3,4カ国語話せる人も珍しくありません。彼女も普段はフランス語を話しますが、ドイツ語やイタリア語もわかるし、英語も話せます。
 彼女の好きなカラーはローズピンク。今日も黒のパンツとコートにローズピンクのカットソーを着てきてくれました。色白の肌をよりきれいに見せています。この色のストッキングをなかなか発見できず、探し求めた末ロンドンで購入したそうです。
 エリーズのヘアはナチュラルウェーブです。日本人はもともとストレートの髪質がほとんどだと思いますが、こちらではナチュラルウェーヴがほとんどです。ピンで留めてきれいなアップスタイルにしている人がたくさんいます。
エリーズ・ペリアーさん
センターわけした前髪をバックからサイドへ自然に流したミディアム・レイヤー。濃いめのマロンブラウン・カラーと柔らかなウェーブが、彼女の優しく理知的な個性を引き立てています。
※画像をクリックすると拡大されます。
エリーズ・ペリアーさん
ディアンヌ・マラダンさん
ショートレングスのブルゾンにストライプの
パンツ マニッシュなスタイルに、
真っ赤なバッグが可愛らしさをプラス
 ディアンヌ・マラダンさん(20歳)は、スイスの時計作りの中心地、ラショー・ド・フォンの出身。エリーズと同じく大学で日本語を専攻しています。さらに彼女はアラブ語も勉強していて、「あなたの写真を撮りたいんだけど…」とお願いしたら、バッチリ決めてきてくれました。黒いジーンズ生地のジャケットに縦縞のはいった黒いパンツに黒い細ベルト、靴のクリーム色と鞄の赤がアクセント。シンプルだけど、彼女が着るとすっきりよくまとまっています。 ジュネーヴの若者は、カジュアルでシンプルな服装の人がたくさんいます。ブランドものや高価な服を着なくても、足が長くプロポーションがいいので何でも着こなしています。
 ディアンヌは、子供の頃に私が夢にまで見たサラサラストレートのブロンドヘアの持ち主。ただしブロンドはカラーリングしていて、もともともはもう少し濃い色のようです。こちらでもヘアカラーしている人は多くいるみたいで、特に流行などはなさそうなんですが、肌の色や目の色に合わせて自分に合う色にカラーリングしている人が目に付きます。
ディアンヌ・マラダンさん
柔らかく細い髪質のロングヘア。7、3にぴっちりとわけた長い前髪が、大人っぽい雰囲気を作っています。
※画像をクリックすると拡大されます。
about food
【 チーズフォンデュ 】 
 酪農王国スイスでは数え切れないほど多種類のチーズがあり、用途によって食べるチーズが異なります。日本でもおなじみのチーズフォンデュにはグリュイエールという種類のチーズを使います。 白ワインと混ぜ温めながら溶かしていき、各自フォークにパンを刺して、そのまま鍋の中に入れてたっぷりチーズを絡めてから食べます。とろとろチーズにほんのりアルコールが効いてて、どんどん食が進みます。でも要注意!食事中はものすごく喉が渇くけど、ビールや冷たい水を絶対に飲んではいけません。チーズが胃の中で固まり、その後大変な事態に。
チーズフォンデュ
about Market
【 スーパーマーケット 】
 スーパーマーケットに並ぶチーズ、ヨーグルト、板チョコレート。スイス人にとって乳製品はかかせません。
スーパーマーケット
about Fountain
【 噴水 】
 ジュネーヴのシンボル、レマン湖のジェット噴水。高さ140メートル。晴れた日は水煙で虹ができます。
レマン湖のジェット噴水
ジュネーヴ
 九州とほぼ同じ大きさで、その3/4が山地というスイス。 その中で3番目に大きな都市がジュネーヴです。人口は約16万人。赤十字の発祥の地であり、国連の歴史の幕を開けたことでも知られ、博愛主義の伝統が息づく平和の首都とも呼ばれています。世界各国から集まった人々でにぎわう街は、スイスの都市というより世界の都市という雰囲気。質の高い文化や歴史遺産を誇る一方で、周囲には豊かな自然と美しい田園風景が広がるというのも大きな魅力です。
Reporter
 田渕恵実さんは、昨年年9月からジュネーヴ音楽院でクラリネットを勉強しています。「ジュネーヴは狭い中心地にコンサートホール、オペラ劇場、美術館、映画館などがひしめき合い、毎日何かが行われているので、芸術を追究するにはとてもよい環境なのではと思います。スイスは物価は高いですが、演奏会は比較的安いので助かります」と、演奏会に度々通っているそうです。




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