vol.176
Interview
ロックフィールド 心斎橋
オーナー・スタイリスト
岩田 保志さん

  ロックフィールドは、一日中人通りの絶えない心斎橋筋に面した店。黄色を基調にした明るいフロアに緑があふれた店内には、どことなく南国ムードが漂います。今回登場するのは、サロンのBOSSことオーナー・スタイリストの岩田保志さん。岩田さんのスタイリストとしての経歴は、まさに日本の美容界の歴史そのもの。時代を創ってきた彼に、これからのサロン作りについて、うかがいました。

  これまでずっと時代の先端を突っ走ってきたような気がします。美容師を志したのは、18歳。高校3年生の時でした。きっかけは父親の突然の死。母親を安心させるため、大学進学より手に職をつける道を選んだんです。いとこが美容室を経営しており、「こんな仕事もあるのか」と漠然とは思っていました。当時の美容師の9割は女性。まだまだ男の仕事としてはマイナーでした。けれど僕は逆にチャンスだと思いましたね。「一生の仕事」と覚悟を決めて取り組む男の方が、早くモノになるんじゃないかという直感でした。
  「腕を磨くならトップレベルの場所で」とは最初から考えていました。それも旧体制的な風土ではなく、常識を打破するエネルギーにあふれたサロンで、これからの時代をつくるような仕事がしたかった。美容学校を卒業後、まずは静岡で3年余り修行し、その後、東京で大旋風を巻き起こしていた萩原 宗氏のサロンに入りました。萩原 宗といえば、日本の美容の歴史を変えたとまで言われている人物です。セットが主流だった日本で初めて、カットで女性をキレイにすることを打ち出した。ヴィダル・サスーンに教えを請い、認められたことでも知られていますね。
  当時から考えていたのは、「技術は世界を制す。はさみ一本で、世界と勝負したい」ということ。特に、モードの最先端だったヨーロッパの人に、日本の技術や伝統文化を認めさせたかった。その夢が叶ったのは、1976年。ヴィダル・サスーンが主宰したカットコンテストの世界大会に出場し、優勝したんです。当時は、高田賢三がオリエンタルファッションでヨーロッパのモード界を席巻していた頃。コンテストで僕がコンセプトにした東洋美も、ヨーロッパの人に驚きと賞賛で迎えられました。
  そんな時、転機が訪れました。20ヶ月の期限つきで大阪のあるサロンの立て直しを任されたんです。任期を終えた時、大阪のスタッフやお客様に「私たちを置いて東京へ帰るのですか?」と、言われましてね。大阪で出会った人々に縁を感じていたし、自分の行動に責任を持つことも大切だし、「関西に残ることが自分の使命かもしれない」と思ったんです。そうして1977年10月10日、福島に最初のロックフィールド保志をオープンさせました。“ロックフィールド”は苗字の岩田=ロック ライス フィールドを短くして、10月10日は、両親の誕生日。心配ばかりかけたから、喜ばせたくてね、この日に開店しました。
  オープン当初は、苦労も多かったですよ。まず言葉の壁。関東出身者の私の話し方は、普通に話していても生意気に聞こえるらしいんです。もうひとつはやはりスタイルですね。僕が学んできた新しいシンプルでシャープなラインは、大阪にはまだ浸透していなかった。最初は、お客様に怒鳴られたり、泣かれたりしたこともありました。でも、僕も若かったからね。自分のスタイルを貫いた。それがよかったんですね。新しいスタイルだっただけに、受け入れられ方も爆発的でした。次第に「かっこいいやん」と言われ始め、それが口コミで広がって。あっという間に急成長し、店も7店舗に増やすことができたんです。
  挫折もありましたよ。自分が確立したカットスタイルや教育したスタッフを大事に思うあまり、スタッフの独立を認められず、集団退社を招いたこともありました。七転び八起き、紆余曲折を経て、今があります。
  現在は、お客様に最高の満足を味わっていただく店を目指しています。店舗を増やさず、スタッフをしっかり教育して、クオリティの高いサービスを提供する。そんな店を作りたいんです。若手スタッフには、「基本を大切にすること」を指導します。基本がなければ応用はないし、常識がなければクリエイティブはありません。カットの基本はもちろんですが、あいさつの仕方や話し方など、ふだんのふるまいから大切にするよう教えています。
  「頂上」を手にすることで、見えるものってあるでしょう。富士山にたとえると、五合目までしか登らなければ、山頂の風景はわからない。頂きを極めてこそ、遥か彼方まで見通せるんです。だから僕は、生涯最高のものを見たり、聞いたり、触れたりする努力をしたいと思っています。身につけるものにもこだわってますよ。着る物は、大ファンであるヨージ・ヤマモト、車はロールスロイス。そうするのには、自分の仕事に誇りを持ちたいという気持ちもありますね。今の時代、技術を持った職人に徹すれば徹するほど食えないという現状があるでしょう。それでは技術者は育たない。僕は、技術を持った職人だからビジネスも成り立つ。そんな風にしたいんです。他の誰にもできない手仕事だからこそ、社会的にも経済的にも向上できる。「美容師ってかっこいい」「努力しがいのある仕事なんだ」って、若い人に夢を持ってもらいたいですね。
  五感を磨くことも大切にしています。ファッション業界の人には刺激を受けますね。また五感の中でも特に大切といわれるのは、「舌」なんです。料理人やソムリエと親交を結び、おいしいものを食べ、飲むことも心がけています。
  僕たちの仕事は、お客様をきれいにし、ハッピーにすること。感性と技術を研ぎ澄まし、お客様の一番求めておられるスタイルを作ったり、お客様の知らない新しい魅力を引き出す。ステキな笑顔で再来店してくださるお客様を見る喜びは、時代やスタイルが変わっても、決して変わりませんね。
Stylisy Date
プロフィール 岩田 保志さん ロックフィールド 心斎橋 岩田 保志さん
Salon Date
ロックフィールド 心斎橋

「 ロックフィールド 心斎橋 」
tel:06-6281-0607
address:大阪府大阪市中央区心斎橋筋1-4-22
ナカザワビル3F
station:大阪市営地下鉄御堂筋線 心斎橋駅 徒歩1分
open:AM10:00〜PM8:00(受付時間 〜PM7:00)
ご予約は前日までにお願いします。
こちらまで⇒06-6281-0607
*全ての技術の最終受付時間です。
closed:毎週月曜日定休

Price
・カット(シャンプー・ブロー込み) 5,250円〜(BOSS 10,500円)
・パーマ 6,300円 (BOSS 9,450円)
・カラー 6825円 (BOSS 8,400円)
※金額は全て税込み価格です。

Rasysa割引きクーポン券
rasysa.com
ロックフィールド 心斎橋
TEL:06-6281-0607

特典
カットのお客様
ネイル磨きサービス

※他の割引との併用はできません。
期限:2005年7月20日まで

・予約の際に「Rasysaを見た」と一言伝えてください。
・来店時、クーポンページを プリントアウトして持参してください。
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