ヘアスタイリストのニーズに応えるハイクオリティの『ジョーウェル・シザーズ』。あらゆるカッティング・テクニックに対応できる、プロフェッショナル専用の最高級シザーズです。
プロの為の技術解説3
スタイリングしやすい再現性重視のカットテクニック
軟毛で毛量が多い場合、ノーマルなセニングでは丸みがなくなりスタイルもきれいにまとまりません。そこで、セクションごとで役割を計算して内部に入れるセニングの組み合わせを変えてみます。そうすることで再現性が高まり、簡単にスタイリングできます。
リピートするカットの秘密!
Before(カウンセリング)
軟毛で毛量の多い髪に再現性重視のカットを!
細くて柔らかい髪質ですが、毛量はかなり多い状態です。スタイリングでフラットになりやすいので、量感を抑えながら丸みのある再現性重視のカットを行います。
Stylist Advice
セクションに応じてセニングを入れるラインを計算する
今回の取材はXel-Haの皆様にご協力・監修をいただきました!
毛量は多いですが、細くてコシがない柔らかい髪質です。スタイリングではフラットになりやすいので、ふんわりしたソフトなスタイルが持続する再現性重視のカットを心がけました。ポイントはミドルセクションとオーバーセクションに入れたセニング。バックとサイドでグラデーションとレイヤーのコンビネーションを変えることで、軽さは同じでもフォルムの丸みや表面の毛の動きに変化が出ます。毛量調整はカットしながら手と目でしっかりチェックし、決して薄くなりすぎないように注意を払って施術してください。
Technique Process
1.ベースカット。ベースカット用シザーズで、アウトラインをカット。チョップカットでラインをぼかしながら、ゆるやかな前上がりのラインにする。
2.トップのカット。髪が落ちる位置を計算してソフトテンションでカット。放射線状にパネルを展開してトップ全体をチョップカットでラインをぼかす。
3.トップと耳後ろの髪をレイヤーでつなげる。耳まわりに毛がないので厚みを残す。これをガイドにしてトップとアンダーセクションをつなげる。
4.サイドのカット。ゆるやかな前上がりのラインにしてチョップカットで切り揃える。
5.GPを基点にして、サイドも放射線状にパネルを展開してレイヤーカット。耳上、もみあげ、こめかみをそれぞれカットして耳回りに厚みを残す。
6.ドライカット。ネープのアウトラインをセニングシザーズでぼかす。刃先を使い、毛がはねないように注意しながらカット。
7.ミドルセクションにグラデーションセニングを入れる。根元付近から刃元を使い重さを取る。耳後ろは毛が溜まりやすいので多めにカット。
8.トップはアップステムでパネルを引き出し、中間付近からレイヤーセニングを入れる。ただし、表面の毛は切らないように注意する。
9.サイドも毛先をセニングカットしてアウトラインをぼかす。刃先を使い、毛がはねないように注意しながらカット。
10.サイドのミドルセクションはレイヤーセニングで軽さと動きを求める。
11.オーバーセクションはグラデーションセニングを入れる。バックとは逆のセニングを入れて顔まわりの軽さと表情をつける。
12.前髪は毛先の長い毛をトリミング。パネルを内側に少し曲げて表面の毛を若干長くする。
13.カット終了。この後、アイロンでカールを作りスタイリングする。
After Style(完成スタイル)
スタイリングがしやすい再現性重視のフェミニンなデザイン
レイヤーセニングとグラデーションセニングのコンビネーションで、サイドとバックの量感と毛先の表情を作り分けたスタイル。
ボリューム感を調整しながら、細くて柔らかい髪をスタイリングしやすいようにふんわりした質感にリメイクしました。