日比谷映画、三番街シネマほか、東宝洋画系で公開中
2001年/アメリカ/128分/21世紀FOX
 
時は19世紀末、パリ・モンマルトル。パリの夜を彩る絢爛豪華なナイトクラブ「ムーラン・ルージュ」は、その華やかな表向きの顔とは反対に、経営状態は困難を極めていた。そんな折、オーナーのシドラー(ジム・ブロードベント)はパトロン候補である資産家の公爵(リチャード・ロクスボウ)に新しいショーを見せることになったが、前日になっても台本は未完成。ひょんなことから作家を志す貧しい青年、クリスチャン(ユアン・マクレガー)が台本を手掛けることになり、必然的に、踊り子で最高級娼婦のサティーン(二コール・キッドマン)と出会ってしまう。それまで本当の愛を知らなかったサティーンは、素朴で純情なクリスチャンに癒され、二人は恋に落ちる。しかし、サティーンをお金の力で手に入れようとする公爵にはばまれ、三角関係に。公爵は二人を引き裂こうと策略し、やがて彼らに悲劇的な運命が…。
歌と踊りもさることながら、ゴージャスな衣装も見逃せない。プロダクション・デザイナー、衣装デザイナーを務めるキャサリン・マーティンが、アンガス・ストラティーとともに手掛けた衣装は約400着以上。“輝くダイアモンド”と謳われるサティーンはムーラン・ルージュのスターにして、パリで最も有名な高級娼婦。その設定に似合う煌びやかなステージ衣装は、パーティーなど華やかなシーンでのファッションスタイルのお手本になりそう。また、まばゆいほどに輝くアクセサリーの使い方にも注目したい。
サティーン役を演じるのは、正統派美人女優の代表格、ニコール・キッドマン。1967年6月20日、ハワイ・ホノルル生まれ、オーストラリア育ち。’89年「デッド・カーム/戦慄の航海」で世界に注目され、’90年「デイズ・オブ・ダンサー」でハリウッドに迎えられる。その後数々の作品に出演し、’95年の「誘う女」でゴールデン・グローブ賞を受賞。スタンリー・キューブリック監督の遺作となった「アイズ・ワイド・シャット」では当時の夫トム・クルーズと3度目の共演を果たしている。次回作は「Birthday Girl」でベン・チャップリンと共演。今後も妖艶たる演技をみせてくれること間違いなしの、注目すべき女優だ。

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