Rasysa/おしゃれ美容師完全ファイル

vol.135

Interview
hm＊glamour
ヘアメイク・グラマー
スタイリスト
稲沼邦彦さん

　白い琉球レンガに鮮やかなオレンジのライト。通りでも一際目立つ近未来的な外観。ところが店内は、大きなアクアリウムにゆったりとアロワナが泳ぎ、セキセイインコのＰちゃんのさえずりが聞こえるなごみの空間です。今回登場する稲沼さんは、今年で４年目の人気スタイリストさんです。

　美容師のおもしろさは、いろんな人との出会い。様々な職種のお客さんとの会話の中で、それまで聞いたことのないようなことがたくさん出てきて、学ぶことがとても多いです。それで、いつも僕の方から質問攻めにしちゃうんですよね（笑）。
　そんなお客さんですから、その人その人にあったスタイリングをしたいですよね。それでハサミを入れる前にも、お客様とじっくり話をして決めていきます。好きなのは作り込まない、キマリすぎないスタイルかな。かと言って、キマってないスタイルは、絶対に許せないですけどね（笑）。それとうちの店って男性のお客さんが多いんですよね。メンズスタイルをやるときには、「床屋さんには絶対負けないぞ！」と気合いが入りますね。
　とにかく同じ仕事はふたつとない。毎日が刺激的で、やればやるだけおもしろいのが美容師の仕事です。とは言うものの、実は専門学校を卒業してから３～４年の間は、いろんな店に勤めては辞め、勤めては辞めを繰り返してて、その間美容師以外のいろんな仕事もやってたんです。でもこの"グラマー"で働くようになってからは、本気でこの仕事に取り組むようになりました。基本的な接客マナーや技術の高さはもちろんですが、何と言っても７人のスタッフがみんな仲が良いというのが最高です。まさに"ファミリー"。やれお誕生会だ、クリスマスパーティーだなどと言っては、しょっちゅうみんなで飲んでます。いい人に囲まれて、毎日笑って過ごせて、ホント、幸せだなぁと思います。

　母も美容師なんです。でも、美容師を目指したきっかけは、実は学校の勉強があんまり好きじゃなかったこと（笑）。最初はなにかモノを作る仕事がしたくて、服飾デザイナーか美容師かで迷ったんですが、ただ洋服をつくるより、直接お客さんの反応が得られる美容師に魅力を感じて、こっちを選びました。そして高校一年のときの担任の先生が、「なんの仕事をするにせよ、一度は日本の中心を見ておけ」と言った言葉がずっと心に残っていたので、東京の専門学校に進むことにしたんです。　　
　ただ父親は昔気質の人間で、また、母の仕事を身近で見ていたこともあって、「美容師は女の仕事だ」と、最初は反対していました。それで口で説得するよりも、実際に頑張ってる姿を見せたほうがいいと思い、反対を振りきって美容の世界に飛び込みました。すぐには分かってもらえませんでしたが、何年か後にはわかってくれるようになって、今では応援してくれています。
　母は今でも一人で小さな店を切り盛りしているんですが、僕は、地元に戻って母の跡を継ぐ気持ちはありません。だって、僕目当てのお客さんで行列できたら大変でしょ（笑）。

　実は僕の体は８割が魚でできているんです（笑）。というくらい、とにかく魚が大好きで、休みの日の一日は、近所の魚屋に出かけることから始まります。おいしそうな魚を選んで、自分で料理するんです。特にカツオが好き。母が忙しかったので、料理は小学生の頃から自分で作ってましたからね、得意なんですよ。夏の晴れた日は、区民プールで泳いで、好きな音楽を聞いて、そして魚を食べる。これが最高！！　スタッフを家に呼んで、料理をふるまうこともあって、みんなには『居酒屋　稲ちゃん』と呼ばれています。アスパラのベーコン巻きや揚げ出し豆腐なんか、好評ですよ。
　釣りも大好き。よく芦ノ湖あたりに、スタッフたちとわかさぎ釣りにでかけます。ぼーっと釣り糸を垂らしてるのもいいですけど、たくさん釣れたら最高ですね。もちろん料理してみんなで食べます。
　ほんとにうちの店は、仲がいいでしょ？仲良くわいわいやってると、心を分かち合える人間的なつながりの大切さを感じます。そしてそのつながりのなかで、自分自身がいい気持ちでいられたら、いい仕事もできる。そんな気がします。

	[hm＊glamour] ヘアメイク・グラマー

tel：03-3402-2838
address:東京都渋谷区神宮前4－7－2
station:地下鉄　表参道駅徒歩5分
open:11:00～21:00 （日曜・祝日～20:00 ）
close:火曜日，第３月曜日

Price
・カット：　5,500円（シャンプー・ブロー込）
・カラーリング：12,000円（シャンプー・ブロー込）
・パーマ：　13,000円（シャンプー・カット・ブロー込）