『ラスト・サムライ』のトム・クルーズ・ヘアをゲット!私流にアレンジしたら…!?
トム・クルーズ主演『ラスト・サムライ』
トム・クルーズ主演『ラスト・サムライ』
Story


 1870年代、できてまもない明治政府の依頼で、政府軍に西洋式の戦術を教えるために、一人のアメリカ人が日本にやって来た。南北戦争の英雄ネイサン・オールグレン大尉(トム・クルーズ)だ。オールグレンは、アンティータムとゲティスバーグでかつては名誉と国のために命を懸けたが、南北戦争後、とりわけインディアン討伐戦で果たした彼の役割が、彼を失望と悔いとに追い込んでいた。
 そんなさまよえるオールグレンが、今まさに近代が過去の価値観や規範、伝統を飲み込もうとしている日本に来た。そして時代の潮流に逆らい、保存すべき価値観を頑なに守ろうと政府軍に反旗を翻すサムライ、勝元盛次(渡辺謙)と出会うのである。
 対立する立場の2人。天皇のご意見番達はサムライの根絶を企てるが、オールグレンはサムライとの遭遇で死をも超えるゆるぎない武士道精神に感動。それらに影響を受け始めている自分に気づく。彼らの固い信念はかつての自分を思い出させるのだ。苦悩にさいなまされるオールグレンは、やがて最後の武士、勝元と固い絆で結ばれていく。
 しかし2人の友情も長くは続かない。勝元は闘わずに去るつもりはなかったのだ。「サムライ魂」を貫くために、滅んでゆく運命を選ぶしかない侍たちの、最後の戦いが始まる。そして2人の戦士の行く手がひとつに重なる。
Episode
大いに期待される『ラスト・サムライ』。その期待の理由は?
『ラスト・サムライ』のスタートは30数年前?!
『ラスト・サムライ』の撮影は2002年の10月に始まりましたが、監督エドワード・ズウィックが『ラスト・サムライ』を夢見だしたのは、何と今から30数年前のハイスクール時代。
「僕が最初に黒澤明の『7人の侍』を見たのは17歳の時でした。以来、何度見たか覚えてないくらい見ています」と言うズウィック。この時から彼の中で日本のサムライに対する想いは膨らんでいたんですよね。
その後、ズウィックは南北戦争を扱った『グローリー』や1910年代のアメリカの家族を描いた『レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い』を監督。
歴史的過渡期の時代に何度も引き戻されるという彼は、「まわりを取り巻く文化全体も混乱を極めている時代に、個人的な変容を経験していく登場人物を観察することは、とても感動的でうっとりとさえしてしまう」と言います。
そのズウィックが、またもや同時代の、しかもサムライを撮るのです。最高に熱くならないわけがありませんよね。
トム・クルーズは"超スーパー&やや病的マニアック!"
エドワード・ズウィック同様、トム・クルーズもまた10代で黒澤と日本文化にはまっていました。
「サムライの優雅さと美しさ、武士道の精神、強さと情と忠誠心、約束を尊ぶ心、正しいと分かっていることには命を投げ出す潔さ。僕にはこれらがたまらないのです」と、もうメロメロなトムは、日本について図書館ほどの情報を持っていて、映画の話が決まるとその準備に、まさに全身全霊を傾けたとか。
まず素手での格闘。「自然が一番」のズウィック監督なので、マトリックスみたくCG満載なんてとんでもない。K1も真っ青!ってくらいの練習でした。
次が乗馬。黒澤作品に乗馬シーンはツキモノ。若きトムも憧れていたはず。特に騎馬戦、しかも着物スタイルとくれば、いやが上にも身が入ります。
そして二刀流の剣術。スターウォーズ以来、どういうわけかハリウッドのアクション映画では日本刀が大人気。それを意識してか、彼の特訓は半端じゃなかったようです。トム流"宮本武蔵"なんて、今からワクワクしますよね。
こんなトムの"サムライ修行"に対して制作/脚本のマーシャル・ハースコビッチは、
「トムは約1年間、毎日数時間、まさしくサムライそのもののように献身と規律の精神で、これらの鍛錬に励んできました。二本刀の扱いも乗馬も、ホントに驚くほど素晴らしい腕前ですよ」と証言。
トムが馬にまたがり疾走する姿、華麗な剣さばき、敵を見据える鋭い眼光、そして多分たか(勝元の妹/小雪)に注がれるだろう優しく甘い微笑み。そしてそして、何より見たいのは、袴をはいたトムのサムライスタイル! ハリウッドのトムが、日本のトムになって、グンとせまって来そうです。
日本人and日本文化の素晴らしさを教えてもらえそう!
ズウィック監督はじめ制作者達が目指したのは"be natural"。だから画面に現れるのはまさに明治の初めの日本と日本人。
最初のロケ地は姫路市にある圓教寺。山腹高くに寄り添うように、竹や楡、糸杉の森に彩られて建つ木造建築は、900年に建立された他に類を見ない息を呑むスポットです
「木材の一つ一つ、匂い、光の当たり方、祈りを捧げるためにここを訪れた無数の人々に長年にわたって踏まれ続け磨かれてきた石畳の様子などに、過去を感じるのです。こういう特別な場所の精神を映画に与えたことが大事だったと思います」。ズウィック監督のこの言葉が、いかに日本の心を大事にしてこの映画が作られたかを物語っています。
美術を担当したリリー・ギルバートは「可能な限り時代に忠実であることを心がけ」、セットはもちろん、深くて濃い、トーンを落とした色使いの衣装は明治時代そのもの。特にシックな色合わせのたか(小雪)の着物は、これから普段着感覚で渋く着物を着こなしたい女性には必見です。
古き良き日本を知らない、あるいは忘れてしまった日本人は、きっとこの映画で自分達の心のルーツを知ることができるでしょう。そしてトム演じるオールグレンが誇りを取り戻したように、私たちも日本人であることの誇りを感じるでしょう、と I hope なのですが…
とはいえ、日本人だけが持つ美学を、ハリウッドを通して全世界に発信する初めての映画なのですから、コレはやっぱり見なくちゃね!!
必見、地毛を使ったサムライヘア!!
らしさとして、『ラスト・サムライ』で絶対はずせないのが、日本人キャストのヘア。「時代劇はかつら」の通例を見事にはずし、全員が"地毛"。ということは、毛のある人はある人なりに、毛のない人はない人なりにということで、渡辺謙、真田広之、小雪、福本潔三、菅田俊、原田眞人…みな、それぞれ個性的なサムライヘア、なのです。
 これは制作コンセプトの"be natural"からきたもので、特に自然な襟足、つまり髪の生え際を大事にしたかったからだとか。「襟足の美しさ」を言うなんて、ホント、日本通の方々ですね。
 小雪扮する未亡人たかのひっつめヘアは、普段着着物のひとつのヘアとして、けっこう味があるかもしれません。ロングヘアの方は、どうぞオタメシあれ。
トム・クルーズ(ネイサン・オールグレン)
渡辺謙(勝元)
真田広之(氏尾)
小雪(たか)
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優雅、美、冷+「優しさ」for women  『 ラストサムライ 』キャスティング
トム・クルーズ来日!京都のプレミアショーで舞台挨拶

 

※2003年11月11日公開時点での情報です。料金の表記は本文に明記のない限り消費税5%の税込価格です。
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