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1870年代、できてまもない明治政府の依頼で、政府軍に西洋式の戦術を教えるために、一人のアメリカ人が日本にやって来た。南北戦争の英雄ネイサン・オールグレン大尉(トム・クルーズ)だ。オールグレンは、アンティータムとゲティスバーグでかつては名誉と国のために命を懸けたが、南北戦争後、とりわけインディアン討伐戦で果たした彼の役割が、彼を失望と悔いとに追い込んでいた。
そんなさまよえるオールグレンが、今まさに近代が過去の価値観や規範、伝統を飲み込もうとしている日本に来た。そして時代の潮流に逆らい、保存すべき価値観を頑なに守ろうと政府軍に反旗を翻すサムライ、勝元盛次(渡辺謙)と出会うのである。
対立する立場の2人。天皇のご意見番達はサムライの根絶を企てるが、オールグレンはサムライとの遭遇で死をも超えるゆるぎない武士道精神に感動。それらに影響を受け始めている自分に気づく。彼らの固い信念はかつての自分を思い出させるのだ。苦悩にさいなまされるオールグレンは、やがて最後の武士、勝元と固い絆で結ばれていく。
しかし2人の友情も長くは続かない。勝元は闘わずに去るつもりはなかったのだ。「サムライ魂」を貫くために、滅んでゆく運命を選ぶしかない侍たちの、最後の戦いが始まる。そして2人の戦士の行く手がひとつに重なる。
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