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Vancouver
"Hello, from the world!"は、世界の様々な街からのファッション・レポートです。
第12回は、カナダで3番目に大きな都市バンクーバー。
数多くの公園や庭園のある緑豊かな街から、松本純さんが写真とお便りを送ってくれました。
街のファッションスナップ Hello! from the world VOL.12
 バンクーバーは、冬は寒いというイメージのカナダのなかでは幸運なことにその例外といっていい都市で、年中を通して恵まれた気候です。ただ雨の多いことは有名で、バンクーバーではなくて"レインクーバー"という人もいるぐらいです。特に冬は雨の日が多く、今日も気温は最高気温が7度、最低が氷点下ゼロで、僕の出身地の神戸の冬とあまりかわりませんが、やっぱり雨が降りました。
配色に抜群のセンス
僕が女性だったら、こんな女性になりたいです!
 忙しいなか写真をとらせてくれたのはタニスさん。彼女は32歳で服飾の仕事をしています。いま仲間と共にブランドを立ち上げる準備中だそうで、僕と同じアパートのベースメントをスタジオにして服を作っています。今日の服装は、僕はとっても配色が上手いと思いました。明るすぎない緑のジャケットはすごくいい感じだし、あとブーツとスカートを同系色にして、その二つともがジャケットの色とマッチしていますよね。全体に落ち着きがあって、格好いい!僕が気に入ったのは、特にマフラーと、あとブーツとスカートの間の赤いレッグウォーマ?みたいな感じのやつです。シックななかにメリハリみたいなのがあって、それがセンスいいと感じさせているのかもしれません。もし僕が女性に生まれていたら、彼女ぐらいの年齢になったときにはぜひ彼女のようなファッションが似合う人になりたい、と思いました。
 髪に関しては、センター分けのナチュラルウェーブがとても自然な感じで、彼女の落ち着いたイメージにピッタリだと思います。 

タニスさん
ネープ部分にかなり削ぎを入れたミディアム・レイヤー。アッシュ系のカラーが重くなりがちなスタイルを軽い感じにしています。
※画像をクリックすると拡大されます。
タニスさん
ピアさん
Tシャツ、ジャージの上着にダウンベスト
ウィンター・カジュアルの定番がキュートです
 僕も通っている専門学校の前で合ったのは、ピア。彼女は経営管理の勉強をしてて、お父さんとお母さんはフィリピン人です。バンクーバーは移民がとても多くて市民の4割近くがカナダ以外の所で生まれた人だそうです。これはトロントについで世界第二位の比率だとか。
 僕の感想ですが、カナダの人は基本的にカジュアルな服装が多いような気がします。長袖のTシャツに半袖のTシャツ、その上にブルーのジャージとダウンベストという、今日のピアのon and onな服装も、その典型。彼女、とてもかわいらしいと思いませんか? それに髪がとっても可愛い!ロングでこんな感じのウエーブはとってもキュートだと思います。彼女は24歳ですが、全く24歳には見えませんよね。それは多分にヘアスタイルのせいではないでしょうか。彼女にはフィアンセがいて、今年の夏に結婚するそうです。先週末にウエディングドレスを見に行って、とっても奇麗なのが見つかって「よかった」と喜んでいました。
ピアさん
肩にかかる大きなカールが、ちょっときついめの彼女のフェイスラインを優しい感じにしています。
※画像をクリックすると拡大されます。

【多民族国家】

 バンクーバーは多民族都市ですが、なかでも中国系の住民の人口は20%をこえていて、さっきバンクーバーを"レインクーバー"と言いましたが、さらに加えて"ホンクーバー"という名前もあるほどです。バンクーバーのチャイナタウンはサンフランシスコのそれに続いて北米で第二位の規模になります。
 僕がカナダで感心するのは、これだけ多民族国家でありながら民族間の抗争がないことです。みんな、カナダ人としての意識を持ちながら、その上で民族のアイデンティティも共存させているように思われます。一番のオススメは、地元アイスホッケーチームの強豪カナックスを地場産ビールを飲みながら応援すること。そうすれば、もう人種なんてなんにも関係なし! それだけでバンクーバー市民の仲間入りって感じです。
about food

【サーモン】
 バンクーバーに来て嬉しいのは、"世界の料理の食い倒れ"ができるってことです。とはいえカナダといえばやっぱりサーモン。どのお寿司屋さんに行っても、サーモンだけは日本より脂ののった、とってもおいしいサーモンがでてきます。
 でも僕が今一番気に入っているのは、"1ドルピザ"です。街には1ドルピザ屋がいたるところにあって、昼休みには多くの人が向かいます。だいたい大きなピザ(日本の特大よりまだ大きい)の8分の1くらいのサイズなので、1枚でも結構な量です。ところが僕は、美味しいのでついもう1枚となってしまって、お腹がいっぱいになるのとは反対に「今日もまた食べてしまった」という反省で、お腹と幸せは反比例してしまいます。種類もいろいろあるので、毎日いろんな味が楽しめますから、バンクーバーに来たらぜひ食べてみてください! 一切れで充分ですから、みなさん2枚目はいかないでくださいね。そうすればお腹も幸せもちょうどよくなります。
about fashion
 バンクーバーでは男の子はやはりヒップホップ系が多くて、キャップをさかさまにかぶって、ちょっとダボッとしたパーカーにパンツっていうのが基本的な格好です。首にはネックレス、そしてブレスレット、指輪なんかもわりかししています。ヒップホップ系の格好で僕がいいと思うのは、誰が着てもそれなりに似合うところじゃないでしょうか。でも僕が思うに、カナダの男の子は日本と比べるとあんまりお洒落じゃあないような気がします。
Vancouver(バンクーバー)
 大都市でありながら緑豊かなバンクーバーは、ダウンタウンのすぐそばに原生林やビーチまである自然公園、スタンレー・パークをはじめ、クイーン・エリザベス・パーク、UBCボタニカル・ガーデンなど数多くの公園や庭園があります。バンクーバーはいろんな楽しみ方のできる街ですが、これらの公園とともに各家庭の素敵な玄関先や庭、鉢植えの花で華やかに飾られた窓辺などを見て回る、というのもいいかもしれません。

■Reporter
 松本純さんは岡山大学法学部の3年生。「カナダには一年だけ大学を休学して来てます。好きな音楽はジャズ。21歳という年齢のわりにはちょっとおっさんくさい考えかたとか好きです」と言うとっても気の良い青年です。将来の進路について現在悩んでいるとか。





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