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Istanbul
“Hello, from the world!”は、世界の様々な街からのファッション・レポートです。
第19回は、ヨーロッパとアジアにまたがる国際都市イスタンブールから、
井藤聖子さんが写真とお便りを送ってくれました。
街のファッションスナップ Hello! from the world VOL.19
 イスタンブールは、かつてローマ帝国、ビザンチン帝国、オスマン帝国と続いた大帝国の首都だったので、過去の遺産も数多く残しています。イスタンブールを訪れる人々を魅了するのは、その多彩さ。宮殿、モスク、バザール、そして街の中心を貫くボスボラス海峡などの美しい自然を目にすると、豊かな文化に今更ながら驚嘆します。
 今年は天候が不順で4月の終わり頃まで気温の変化が激しく、体がついてかない状態でした。初夏を迎えた今でも、時に肌寒い日があったりします。
大きく開いたラウンドネック
赤と黒のバランスが大人の女性を感じさせます
 この日はものすごく寒い大雨の日でした。その中、日土婦人教会のバザーが軍事博物館であり、彼女と私は一緒に出かけました。
 彼女の名前はアスルハン・タシュさん。去年の11月に結婚した新婚ほやほやです。今年の2月にご主人の仕事の関係でイスラエルで生活するために行き、今、里帰り中です。4年間、大学の日本語・日本文学科で勉強し、日本語スピーチコンテストで一位になり、日本にも行きました。
 アスルハンさんは赤がとても好きで、よく赤い服を着ています。口紅の色とセーターが合っていると思いませんか?はいているスカートはお祖母様のお手製です。髪の毛は、今までは自然のカールだったのですが、イスラエルの水はよくないみたいで、手入れがしやすいようにとパーマをかけたそうです。トルコのほとんどの女の人の前髪は、長いです。眉毛も描いてなくて、美容院などで好きな形に整えてもらっています。アスルハンさんの眉毛も全く描いていません。でもとても綺麗だと思います。
アスルハン・タシュさん
ミディアムボブのカーリーヘア。大柄な彼女なので、かなりきつめのカールもボリュームを感じさせず、優しい女性のイメージです。
※画像をクリックすると拡大されます。
アスルハン・タシュさん
デメット・エルドアンさん
一見何気ないカジュアルウエア
でも短めの上着に細めのジーンズ、
ラバーソールのシューズは、so nice!
 翌日は一転、いいお天気。デメット・エルドアンさんの写真は、市役所の前で撮りました。デメットさんは保育園の先生でしたが、今は主婦で、博多人形のような滑らかな肌の持ち主です。彼女は青が大好き。インナーのタートルネックとアイシャドウが同じ水色で、彼女の肌の白さに良く合ってて、とっても素敵です。着ているカーディガンはお母様の手編みだとか。白をベースに水色が入っていて、彼女のお気に入りだそうです。
 髪の毛はヘナ(トルコ語ではクナと言います)を使って自分で染めています。トルコではヘナで染めるときには中にヨーグルト、酢、残った紅茶の葉に水を少し足し、その中にクローブ、タバコの葉、タマネギとニンニクとリンゴの皮、胡桃の葉を入れて沸騰させ漉したもの、赤ワイン、オリーブオイル少々、塩を入れて、手袋をしてよく混ぜ、髪につけます。ヘナをつけた髪は頭頂でまとめ、半日くらいおいてから洗髪。なかなか色が付かないので、私も以前友達にやってもらった時に、スカーフをはめたまま友人の誕生パーティーに行くハメになり、ものすごく格好悪い思いをしました。そうそう、ヘナは細菌を殺すと言われており、花嫁さんが結婚する前の夜「クナ ゲジェシ」(ヘナの夜)という女の人だけの儀式をします。その時にクナを花嫁の手のひらに塗り赤い手袋(手全体が入るもの)をし親戚や友達は夜通し踊るんですよ。
デメット・エルドアンさん
肩までのミディアム・レイヤー。ヘナ独特の赤い色が、色んなモノを混ぜたことで深みのある赤に。
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about food
 トルコの変わった野菜をお届けしようと思い、毎週開かれる市場に行って来ました。日本に送る写真を撮ってもいいですか、と聞いたところ、並んでいる野菜を綺麗に並べ直してくれ、これも撮れ、アレも撮れって言われました。こういうトルコ人の暖かさが、私は大好きです。
アンティーチョーク 根セロリ
【 アンティーチョーク 】
 トルコではアーティチョークの葉を全て切り落とし、芯を丸くくりぬいて食べます。主にマルマラ、エーゲ海地方の食べ物だそうで、これをカップのようにして、なかにいろんな野菜や肉を入れて料理します。
【 根セロリ 】
 日本と違ってトルコのセロリは根を、野菜や肉と一緒に炒め煮にしたりして食べます。私たちは生で千切りにしてサラダで食べることが多いです。葉は捨てられるので、スープやシチューに入れるのによくもらっていました。
ユフカ 市場のおじさん
【 ユフカ 】
 家の近くのユフカ屋さんです。かなり大きなもので、これでボレキというパイのようなものや、春巻きのようなシガラボレイを作ったり、他にもいろんな料理に使われます。
【 市場のおじさん 】
 市場はキロ売りのため、色んなモノを買うとものすごく重くなります。写真のおじさんは、買ったものをかごに入れて家まで運んでくれます。背中に背負って運ぶ人もいます。
旬の果物 【 旬の果物 】
 ビニールの中に入っているのは、まだ青いプラムです。シャキッとした歯ごたえでみずみずしいですが、全く甘くはありません。トルコ人はこれに塩をつけて食べることもあります。
 隣はフレッシュアーモンド。種子が中にできる前の状態のものです。まわりは産毛のようなもので覆われていて、これも甘くありません。やはり塩をつけて食べることが多いです。最初は食べられませんでしたが、今は食べられるようになりました。
about popular
 今人気があるのはテレビのドラマとオーディション番組です。最終回は視聴率80%を超えたお化けドラマ。最後の一人が選ばれるまで、レッスンの様子を始めあれやこれや見せ、視聴者が投票で決めるオーディション番組。トルコのドラマを日本の局が買いたいというニュースもありました。近い内に放映されるかも知れませんね。
イスタンブール
 イスタンブールの6月と7月は国際芸術文化祭。世界中から著名な芸術家たちが集まって、コンサートやバレエ、展覧会、会議など、様々な催しが行なわれます。もちろんトルコ歌謡から有名なべリーダンスまで、肩の凝らない娯楽も豊富にあります。
Reporter
 井藤聖子さんは、1996年から4年間、トルコのエルジェス大学で日本語を教えた後、自身もトルコ大学に入学、今はトルコ語・トルコ文学科の大学院生です。そろそろ在土10年になろうとしていますが、大好きなトルコのことを日本に紹介したいというので、今回レポートを送ってくれました。




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