TUCCIが作るアニムスヘア～何が向いているのかやってみなくちゃわからない -Rasysa/特集-



映画『アニムスアニマ』のなかで、トキオが働いていた美容サロンTucci。そのTucciのスタイリスト吉村ヒデアキさんが映画をイメージして“アニムス・ヘア”を作ってくれました。テーマは「自立した女性」。強くて弱い、厳しくて優しい、大人で子ども…二つの世界を現しています。

強と弱、陰と陽、厳しさと優しさ、はかなさと確かさ…
映画の中のスイは、自立した強くて厳しい大人の女性を目指します。でもふっと見せるスイの横顔は、寂しがり屋の、はかなげでひ弱な女の子。アニマ・ヘアは、そんな２面性をスタイルとカラーの両方で表現してみました。

ストレートとウェーブのアシンメトリー
基本は前下がりのボブスタイル。左サイドは“ストレート”でシャープでクールな強さを、右サイドはウェーブを加えてはかなくて可愛い弱さを表現。

左右を違う長さにして、さらに、右サイドは、ふっくらしたウェーブを出すために、全体にレイヤーを入れて軽くし、すそは切りそろえずに自然な感じに。左サイドは、サイドはストレートに切りそろえ、バックは丸みを出す程度にグラデーションにレイヤーを入れる。


	可愛らしさが出ないように、モデルにあわせて全体の長さを調節する。特に前下がりの長さは、顎のラインを見ながら、子どもっぽさと大人っぽさのギリギリの線を探すのがポイント。

室内ではダーク・トーン、戸外ではブライト・ライトにカラー・チェンジ
全体にグリーン味を帯びたマットな色を入れ、その上からパール・トーンを重ねて塗る。人工灯の下ではちょっとダークでシャープな色味に、戸外の自然光では明るく柔らかな感じになる。

無造作でナチュラルに
スタイリング剤を手に伸ばし髪全体に良くなじませた後、前髪を分け目を無くすような感じでサイドに流し、右サイドは髪を軽く揉んでウェーブをつくりながら、左サイドはストレートに整える。

	アニマ・ヘアは、「2面性」ということにこだわって作ってみました。もともとボブスタイルが好きなこともあって、基本は前下がりのボブです。左右で長さをかえてラインに変化を付けたり、ストレートとウェーブを使い分けて質感の違いを出しました。カラーは、オフィスで働くキャリアな女性、ということで全体にはダークトーン。でも戸外ではより女性的な面がでるように明るい色味を加えました。OnとOfｆという感じですね。レングスを変えれば、どんな女性にも似合うスタイルだと思います。

comment 毎日働いているサロンで映画の撮影、というのはとても楽しい経験でした。主演の忍成さんは、本当に熱心に練習していました。ものを作ると言うことでは、俳優もスタイリストも同じなのでしょうね。「人に刃物を向けるのは、とても緊張しますね」と彼が言っていたそうですが、母が美容師で小さい頃からその世界を見てきた僕には、とても新鮮な言葉でした。でも「人に刃物向けて良い仕事」なんて、ホントにないですよね。