次のページ >>
<< 前のページ
Barcelona
“Hello, from the world!”は、世界の様々な街からのファッション・レポートです。
第37回は、独自の文化を持つバルセロナ。今やスペイン1の商工業地域であるバルセロナから、
どほやよいさんが、写真とお便りを送ってくれました。
街のファッションスナップ Hello! from the world VOL.37
 日本の1.3倍の国土に約4300万人が住むスペイン。バルセロナはマドリッドに次ぐスペイン第2の都市で、地中海に面したフランスに近い位置にあるせいか、スペインというよりはヨーロッパの雰囲気が漂うオシャレな街です。街中にガウディに代表されるモデルニズムの建物があふれ、ピカソやミロなど世界的な巨匠アーティストの美術館があります。
自意識の強いカタルーニャ人は
ファッションもヘアも個性を大切にしています
 カタルーニャといっても日本ではピンとこないかもしれませんが、バルセロナのある州のことで、地中海側に位置し、スペインの北東部、フランスとピレネー山脈をはさんで隣り合っている地方です。特にこの地方出身の人をカタルーニャ人といって、普通のスペイン語のほかにカタルーニャ語が公用語になっています。自意識が高く、「自分たちはスペイン人である前にカタルーニャ人である」という考えの人が多くいます。で、そんなカタルーニャ人の友だちエヴァが美容院に行ってきたばかりというので、早速新しいスタイルを見に行きました。
 35才のエヴァは5才の女の子のお母さん。ショートカットですが、裾を長めにカットしてあり、前髪も短い部分と長い部分がバランスよく、自然な感じです。彼女の髪はブロンドとブルネットの中間でしょうか。パーマはかけてないのですが、カットでうまくウェーブが出て、お手入れも簡単とのことです。
 今日のファッションはかなり個性的でした。。ジーンズはリーヴァイスのタイトフィットなタイプですが、トップに着ているジャケットは東南アジアの山岳少数民族のもの。。サイドの切り替えの部分に金属の鈴のような飾りがついています。パイピングや刺繍の色使いも鮮やかで、不思議な雰囲気をかもし出しています。彼女は広告制作のコーディネーターでヨーロッパのパナソニックのポスターやカタログを何度も手がけました。日本にはまだ1度しか行ったことがありませんが、書道歴は7年で、最近はカタルーニャ人に教えています。
エヴァさん
ネープラインを長めに残したショートレイヤー。ディスコネクトした前髪が広い額と直線的な眉を際立たせ、、知的な個性を感じさせる。
※画像をクリックすると拡大されます。
エヴァさん
エヴァさん
究極のファッショナブル・ヘア丸刈りは
どんなファッションも個性的に見せます
 最近、エヴァの家に引っ越してきたばかりのドイツ人のアクセサリーデザイナーも、名前はエヴァ。私は初めて会ったのですが、ヴェリーショートがとても似合っていました。日本でなら、丸刈りの坊主頭って感じですが、こちらではベッカムとかサッカー選手にも多いし、禅や仏教の影響でやってる人もいて、かなり普通のヘアスタイルという感じです。若ハゲの男の人が、これをカモフラージュして丸坊主にすると、何かカッコイイのです。もちろん女の子は男の子に比べて少ないです。ヨーロッパ人は女の子も男の子も坊主が似合いますよね。顔が濃いからでしょうか。
 ボーイッシュに見えますが、彼女は28歳で6歳の女の子のお母さんです。ドイツのデュッセルドルフから、バルセロナの芸大でマスターを取るため、単身子連れ留学中。トップはシンプルなショート丈カットソーですが、パンツは手作りで個性的。日本の着物みたいな織りの布と紫の布、ベージュの布を組み合わせてあります。ショート丈のパンツがカンペールのボクシングシューズと絶妙にコーディネートしていますよね。
エヴァさん

全体に同じレングスのヴェリーショート。後頭部に丸みのある欧米人にはよく似合う。
※画像をクリックすると拡大されます。
about barcelona
 うちの近所のプラサエスパニャ(スペイン広場)界隈をご案内します。
空港からバスやタクシーでバルセロナ市内に入ると最初に通る観光スポットがこのあたりです。
【 espana 】
 広場にはモデルニズムの彫刻と噴水があり、写真の奥に見えるのは昔の闘牛場です。今はJEEPの広告で覆われていますが、リニューアルしてドーム屋根をつけ、見本市会場の別棟になる予定です。。工事は去年から始まったようですが、いつできるのかは未定というか不明。たぶん、完成予定を決めても絶対予定どおりにはできませんから。左手前はバルセロナのタクシーです。黒と黄色で統一されているので、わかりやすいです。
espana
show 【 show 】
 この日はちょうどバルセロナ・ファッション・ウイークが終わったばかりでしたが、まだかっこいいバナーがはためいていました。このイベントは別名「パサレラ・ガウディ」といって、マドリッドの「パサレラ・シベレス」と並んで有名で、スペインを代表するインターナショナルなデザイナーが年2回コレクションを発表します。
【 carnaval 】
 カーニバルといえば、リオ・デ・ジャネイロが有名ですが、宗教行事のひとつなのでカトリックの国スペインでも地方によってはさかんで、この日もたまたま、スペイン広場からカタルーニャ美術館に向かう大通りで仮装パレードが行われていました。左手のガラス張りの建物は国際会議場、右手奥が館内を改装したばかりのカタルーニャ美術館です。近くには入場料無料の美術館「カイシャ・フォールム」、、モンジュイックの丘を登ると92年のオリンピックスタジアムやスポーツパビリオンなど、観光スポット満載です。
carnaval
バルセロナ
 紀元前6世紀頃に築かれたバルセロナはまた、カタルーニャ自治州政府が置かれる州都でもあり、「スペイン人である前にカタルーニャ人である」と言われるほど地方色が強く、独自の歴史、文化、習慣、言語をもっています。ガウディに代表されるモデルニズム芸術誕生の地としても知られ、、美術館・博物館の数は70を超えています。
Reporter
 どほやよいさんは、2000年9月よりスペイン・バルセロナ在住。初めてスペインを旅行した大学生のときに、住むならバルセロナと決めていたとか。長年勤務したファッション関係の会社を退職して渡欧。現在は通訳、日本語の個人教授をしています。「この冬に帰国した際、日本からカブキという名前の子猫を、私の招き猫になってくれるようにつれてきて、一緒に住んでいます。いつまで住むかは未定」というどほさん。今はいろんな友だちがどんどんできる生活を楽しんでいるそうです。




<< 前のページ
次のページ >>