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| JR三ノ宮駅のすぐ向かいにあるビルの５階、明るい陽光が差し込むCLIP COREの店内は、ウッディな色調でまとめられ、暖かな雰囲気で満ちています。安全・安心で、地球環境にも優しいサービスを目指しているというCLIP。話をしてくれたスタイリストの俣野雄亮さんは、爽やかで優しい語り口が店のイメージともピッタリでした。 |
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スタイリスト歴４年、ここCLIP
COREに来て１年になります。実は今日（取材日）、新人の男の子が入ってきたんですけど、それまで男は僕一人だったんです。スタッフはみんな気さくで明るく、女性に囲まれて仕事をするのは全然気にならないんですけど、やっぱり同性がいるのといないのとでは、気分が違いますよね。いやぁ、嬉しいです。
この店はお客様の３〜４割が男性。同性をカットするの、好きですね。お客様のライフスタイルや好み、ご要望を聞いて、それに沿いながらも僕らしいデザインをどこかに入れるよう心がけています。僕は、「このお客様には、このスタイルが似合う」と、直感的にひらめくタイプ。そのインスピレーションとお客様がお持ちのイメージとが一致した時は、いいカットができます。この「意気投合」がお客様の信頼につながるんですよね。お客様の中には、僕がスタイリストになりたての頃からずっと、店を変わっても指名してくださる方もいます。そういうお客様の信頼は、裏切れません。 |
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今でこそ見ての通りシンプルな格好をしていますけど、高校時代は、とにかく派手でした。RANCIDとかパンクが好きで、ファッションも音楽から影響を受けることが多かった。メタリックなアクセサリーは今も好きですけど、当時はもっと主張が激しかったなぁ（笑）。
髪は金髪。色にもスタイリングにもかなりこだわってました。両親共に美容師なので、母親にカットしてもらっていたんですが、ものすごく細かく注文をつけてました。よくそれを全部聞いてくれたなと思います。当時は友達から「髪型かっこいいやん」って言われると、自分のスタイリングやセンスの賜物だって思ってましたけど、美容師になって母親のテクニックを尊敬するようになりました。僕の髪型を見て、友達がうちの店にカットに来ることもありましたよ。髪を染めたり、カットしたり、もっとかっこよくスタイリングできるようになりたい。そういう目立ちたがり志向が、美容師を目指すきっかけでした。 |
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「かっこいい美容師になりたい」と意気込んで働き始めたけれど、実際の仕事は想像以上に地味で根気のいるものだと、すぐに思い知ることになりました。スタイリストは、自分が主張するよりも、まずお客様に満足していただくことを第一に考えなければなりません。派手な仕事じゃない、お客様のことを思って裏方に徹する仕事なんだと気づかされました。
最初に勤めた店では、食事をする暇もないほど忙しいこともしょっちゅう。朝から閉店までシャンプー台の横に立ちっぱなしという日もありました。でも辛いと思ったことはありません。毎日、楽しかったですね。年配のお客様が比較的多く、それまで話したことのなかった年上の方といろいろなお話をする機会もあって、元来人見知りの僕にとっては、すごくいい勉強になりました。
先輩スタイリストからもたくさんのことを学びました。先輩は仕事中は厳しいけれど、プライベートでは気さくに話し相手になり、時には食事をごちそうしてくれたりする兄貴系。今、僕自身が後輩を指導する立場になって、先輩の態度がお手本になっていますね。
そういう経験を通して少しずつ視野が広がり、自分自身の受け皿も大きくなっていったのかな。目立ちたいという気持ちや、自分とは違う考え方やタイプの人に対する反発心が減って、いろいろなものを許容したり、「いいな」と思えたりするようになった。見た目や持ち物も、派手なものよりシンプルな中に少しだけこだわりを入れる今のスタイルになっていったんです。 |
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| 今年２月、全店舗のスタイリストの中から選ばれて、約１週間、ロンドンのヴィダルサスーンのサロンへ研修に行ったんです。毎日、午前中はレッスンスタジオでカットのレッスンを受け、午後からはサロンでロンドンのお客様を実際にカットしました。向こうの人は、すごく個性的なカットを望まれるんです。日本ではカットショーでしか見たことのないようなスタイルを一般のお客様がどんどん注文してきます。そんな環境で、新しいテクニックやデザインを教わり、実際に試せたことが、すごく刺激になりました。何よりの収穫は、ロンドンの人やトレンドを見て、高校時代、派手な髪型にしたくて美容師を志した時のエネルギーを思い出したこと。原点回帰というか、初心に戻ることができました。日本の美容室でロンドンの斬新なスタイルをそのまま応用することは難しいけれど、カットのポイント部分とか、ニュアンスのつけ方なんかに少しずつ取り入れています。 |
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痛いくらいにまぶしい朝の光が好きなんですよ。だから休みの日でも朝８時前には起きて、愛車のヤマハDRAG
STAR250ででかけます。買い物に行くことが多いですね。やっぱり服とか、好きなので。
町でみんながしているスタイルとか、今、流行っているものは、もうおもしろくない。ファッションも、少し先、次にきそうなトレンドを取り入れるのが好きですね。昔からそういう「次」をわりと敏感に感じ取れる方なんですよ。例えば、愛用しているSONYのNETWORK
Walkmanは、ハードに大容量の音楽や映像をダウンロードできるやつで、大人気だったiPodの先駆的商品。いち早く購入したけれど、こういう商品は新しいものほど高いし、次々に新機種が出る。わかっていても買っちゃうんですよね。
新しいものを先取りする感覚は、オーナーである父親譲りかも。店では７年近く前から、安全や環境に配慮したトリートメントを取り入れています。BE-ONEシステムといって、肌や髪への浸透力の高い特別な水を使うんです。薬剤じゃないから地球にも優しい。髪も肌も傷みにくくて、僕がいうのもなんですけど、いいですよ。最近、芸能人やモデルの間でちょっと話題になってきましたね。
お客様の髪質や地毛の色、顔の肌色なんかを考慮して、似合う色を選んだり、配合したり、ご要望通りの色を実現するカラーリストの育成にも力を入れています。僕も勉強しながら、後輩を指導しています。僕自身は、これからもっとデザイン力をつけたいと思っています。お客様を満足させつつ、新しいトレンドを取り入れたり、「僕にしかできない」スタイル、カラーリングを追求していきたいですね。 |
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