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Belfast
“Hello, from the world!”は、世界の様々な街からのファッション・レポートです。
第43回は、ヴィクトリア朝の栄光を今に伝える北アイルランドの中心都市、ベルファーストから
山下直美さんが、写真とお便りを送ってくれました。
街のファッションスナップ Hello! from the world VOL.43
 アイルランド島の北東部に位置する、北アイルランドの首都ベルファースト。近年、ウォータフロント地区などの開発で街の様子が一変し、かつてのテロなどの暗いイメージがすっかり払拭され、観光地としても人気が高まっています。おしゃれなレストランやショップが多く、ナイト・ライフも充実。行政的にはイギリスですが、文化的にはアイルランド、また、お隣りのスコットランドの影響も受ける、他にはない、独特の雰囲気のある街です。かつてはリネンと造船業で栄え、1912年に大西洋で沈んだ、あの“タイタニック号”が造船されたのも、ベルファーストです。
曇った空にも春を感じさせる
ペパーミントグリーンのカーディガン
 シティーホール前のリネンホール通りは、ベルファースト一のショッピング・ストリート。そこで出会ったAdele Healy(アデール・ヒーリー)さんは、22歳のスコットランドの学生さんで、この日、ボーイフレンドの実家のあるベルファーストに遊びに来たとのこと。アデールさんのように、スコットランドからフェリーで買い物や仕事にやってくる人が多いのも、ベルファーストの特徴です。
 春らしいペパーミント・グリーンのカーディガンを黒のTシャツと重ね着した、さわやかな着こなしが目を引きます。野暮ったくなりがちなカーディガン・スタイルも、引き締め効果のある黒を合わせることで、可愛らしさがより引き立ちます。ジーンズには、黒のお花付きベルトで甘さを加え、おそろいのピアスとブレスレットは、トップのペパーミント・グリーンをさりげなくリフレイン。甘さと辛さ加減のバランスが、なんとも絶妙なスタイルです。
Adele Healy(アデール・ヒーリー)さん
 ストレートのロングヘア。2,8に分けた前髪をサラッと流して無造作に束ねたポニーテールスタイルが、清楚でクリーンなイメージを引き立てます。
※画像をクリックすると拡大されます。
Adele Healy(アデール・ヒーリー)さん
Julia McCracken(ジュリア・マックラケン)さん
色落ちジーンズの濃淡上下
水色インナーとピンクのバッグでキュートに演出
 同じく、リネンホール通りで友達2人とショッピング中のJulia McCracken(ジュリア・マックラケン)さんは、市内の銀行に勤務する23歳。ベルファーストでは、ジーンズ・スタイルが人気と見えて、この日、行き交う女の子たちの半数以上が、ジーンズをはいていました。
 程よく色落ちしたジーンズの上下に、流行りのターコーイズをあしらったネックレスとベルト。グリーンがかった水色のインナーで、顔まわりがすっきりと明るく見えます。このジーンズ・スタイルがぴったりと決まるのも、ジュリアさんの目の色がブルーだからでしょうか?あえて、バッグはブルーや黒ではなく、ピンクを差し色したところが、おしゃれ度アップ。こちらの女の子に多い、そばかすがいっぱいの笑顔もチャーミングですね。
Julia McCracken(ジュリア・マックラケン)さん

 7、3分けの前髪をちょっと立てながらサイドに流したストレートのミディアム・レイヤー。頭頂部でヘアベルトがわりに留めたサングラスが、ジーンズルックを大人のイメージに。
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about Belfast
【 シティー・ホール 】
1906年完成のベルファーストのランド・マーク。この日、建物内部では“タイタニック号”にまつわる特別展を開催中。
シティー・ホール
タイタニック号
【 クイーンズ大学 】 【 ハーランド&ウォルフ社 】
1845年創立の王立大学。現在、学生数8500人の名門校です。過去に、デイビッド・トリンブル、シェイマス・ヒーニーの2人のノーベル賞受賞者を輩出。 “タイタニック号”は、ここで造船されました。第2次大戦前、日本の造船業者が特許を導入した会社としても知られています。
クイーンズ大学 ハーランド&ウォルフ社
【 アルバート公の時計塔 】
 1867年、ヴィクトリア女王のご主人様アルバート公のベルファースト上陸記念に建てられました。川の近くで地盤がゆるく、わずかに傾いてしまっています。
アルバート公の時計塔
ベルファースト
 もともと小さな漁村でしかなかったベルファーストは、19世紀のヴィクトリア女王の統治時代に造船を中心とする工業によって大きく発展。1949年のアイルランド独立後もイギリス領に残ったが、カトリックとプロテスタントとの衝突が激化、1998年の和平の合意までテロ活動が続く。99年には双方の代表を含めた北アイルランド自治政府が発足、恒久的和平へ向け歩みを続けている。街にはヴィクトリア王朝風の建物が並び、近年観光客も多い。
Reporter(山下直子さん)
 ダブリンに住んで5年、アイルランドの公認ナショナル・ガイドとして、日本からのお客様をご案内させていただいています。ツアーコンダクターとして世界60数カ国をまわったあと、吸い寄せられるようたどり着いたのがアイルランド。観光地をバスで周遊するだけでなく、この国の人々のホスピタリティーに触れていただけるようなツアー作りをしていきたいと思っています。http://guidingireland.ie/




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