 |
 |
横浜駅のすぐ近く、高島屋や東急ハンズに近い賑やかな繁華街の一角にある「KENJE」は周囲の喧騒とは一変して明るくておしゃれな店内。今回登場するのは数々のコンクールで優秀な成績を持つ店長の北山光貴さん。一言一言をしっかりかみしめて話す誠実で爽やかなスタイリストさんです。 |
 |
 |
美容師になりたい、と思ったのは高校一年生くらいの頃です。それまで特に美容に興味があったというわけじゃないんですが、普通のサラリーマンになりたくないな、とは思っていました。今思えば、華やかなイメージに対する憧れがあったのでしょうね。一度なりたいと思ったら、もう、高校の卒業を待たずに通信教育を受けて、卒業と同時に国家試験に合格して美容師になりました。なってみると、想像していたイメージとは違って地味な世界(笑)。仕事も決して楽ではないですしね。
僕は人一倍不器用なんですよ。何をするにも人より2〜3倍時間がかかっていました。だからとにかく練習しなければ人に追いつけないと、朝と夜に練習を積み重ねました。うちの会社は同期だけでも100人いますから、がんばらないとね。毎日始発で出かけて終電で帰るという生活でしたけど、一度もこの仕事をやめたいと思ったことはありませんでしたね。うちの会社は職歴に関係のない実力主義。2年目にはスタイリストになることができました。でも、今の僕があるのは、不器用で要領が悪かったからだと思うんです。 |
|
 |
|
|
 |
 |
 |
 |
スタイリストになってから変わったことはやっぱり、いかにお客さまに僕を指名をしてもらえるか、売り上げを伸ばせるかを考えるようになったことですね。お客さまにリピートしていただくためには、なによりも技術を磨くことが一番だと思っています。それを具現化するためにも、常にコンクールに出場するようにしています。おかげさまでこれまでもブラジルで世界大会が行われたワールドカットコンテストで優勝したり、国内のコンテストでも4回ほど優勝することができました。
コンテストに出る意義は、やはり出るからには勝ちたい、そして勝てば、次はもっと上を目指したい、と思って技術を磨けることでしょうね。それに大きな大会になると、トップクラスのスタイリストが集まってくるわけですから、刺激にもなるしとても勉強になります。勝ち続けるためには、練習が欠かせませんから、今でも休みの日は練習にあてています。これまで、ホント、駆け上がってきたなーという感じですね。だから、趣味っていうのがないんですよ(笑)。プライベートな時間はほとんどないです。いつも仕事、まさに24時間営業ですね(笑)。 |
|
|
 |
 |
でも、技術だけではお客さまに満足はしていただけません。僕は入社以来、ずっと藤沢店で9年間働いて、今年の4月から横浜店に来たのですが、藤沢店は主婦の方が中心のサロン、横浜駅前にある横浜店は、若い方が中心になりました。けども、お客さまのニーズって基本的には変わらないと思うんです。僕らの仕事はお客さまが悩んでいること、困っていることなどの問題解決をしてあげることだと思います。心がけていることは相手の話をじっくりと聞くこと。そしてお客さまのニーズに最大限に応えることが何よりも大切だと考えています。
僕たち美容師は、当然スタイリングのことなどはよくわかっていますし、いろんな知識もあります。だから、お客さまが「こうしたい」という声にも、つい提案してしまいがち。でもそれは言い換えればおしつけになりかねません。美容師がやりたいことをおしつけるのではなく、あくまでもお客さまの希望をかなえることが仕事だと思います。1回、2回じゃ信頼関係はつくれません。安心してまかせていただけるのは、そうですね、30回以上来ていただいて初めて提案するスタンスに立てると思います。 |
|
 |
 |
 |
 |
 |
とにかく仕事漬けの毎日ですから、ほんと趣味ってないんです。趣味はもっと年をとって落ち着いてからでもいいかな、と思っています。なんせ不器用ですから、いろんなことをできないんですよ(笑)。休みの日も外部の講習会にでかけたり、コンクールやヘアショーがありますからね。映画もみないし、音楽も聴かないから、よく知らないし……プロフィールも、スタッフの好みを書いちゃいますね(笑)。スタッフは20人いるんですが、皆、仲いいんですよ。小田原の方までバーベキューに出かけることもあります。
今の目標は、この店から何人の店長を育てることができるか、そして「KENJE」を横浜の一番店にすること。将来の夢ですか?僕はたとえば個人で1億の売り上げのある店を経営するより、グループで100億売り上げの会社に携わりたいんです。だから、独立ということはまったく考えていません。会社の目標が100店舗ですので、僕もその目標に少しでもお手伝いができればうれしいです。 |
|
|