物心ついた頃から、髪を触るのがとても好きな子でしたね。祖母が近所の美容室に行くというと一緒についていって、そこで「お手伝いをする」といって床に落ちた髪を片付けたりしていました。祖母もそんな私を見て、将来は美容師になるんだねと言っていたくらいです。その頃から、よく親の髪を結ってあげたりしていたんですが、自分の髪はどうも面倒くさくて（笑）。自分の髪よりも人の髪を触っているのが好きなのは、子供の頃からだったみたいです。その後、中学や高校に進んでも、相変わらず友達や親の髪をセットしてあげていましたね。髪をいじるのが楽しかったのに加えて、人に喜んでもらえるのが嬉しいと思うようになり、中学生の頃には将来美容師になろうと決心をしていました。高校生になってからも、その気持ちには変わりがなかったのですが、それにプラスして会社経営やマネージメントにも興味が出てきたんです。せっかくならば、将来は自分の美容室をオープンさせてみたいと夢が膨らむようになりました。そこで将来の夢を実現させるために、大学では経営学を学び、美容の勉強はそれと並行して通信教育の専門学校で３年間学ぶことにしました。

  大学生になり、いくつかのアルバイトをしましたが、将来の仕事ににつながることをしようと思って選んでいました。中でも少し変わっていたのは、クラブにお勤めの方に髪をセットする仕事のアシスタントをしたことです。髪を触るのが大好きな私にとっては、ぴったりの仕事で楽しかったですね。そのほかには、接客の勉強をしたいと思い紳士服のお店で販売をしたこともあります。ファッションは、美容と同じように美を追求する姿勢は同じだと思いますし、そこで経験した接客や覚えた言葉遣いは現在にもとても役に立っています。そしてそろそろ就職先を考え始める頃から、ヘッドスパに対する興味が出てきました。美容室に就職をしようと思っていたのですが、ヘッドスパの心も含めたケアができるところに惹かれたんです。さらに大学の卒業論文でヘッドスパのメニューを取り入れた事業計画書を書くことにしたので、いろいろなヘッドスパに通っていて、その思いはどんどん強くなっていました。ベルシュヴーは、ヘッドスパの専門店だったということのほかに、オープニングに立ち会えることと、将来起業に興味のある人を募集していたので、まさに私にピッタリのお店でしたね。

  お店に入ってからは、オープニングの準備と共にヘッドスパの講習を一ヶ月みっちりと受けました。まずはシャンプーの練習から、商品説明の勉強、そしてもちろんヘッドスパの知識や技術などです。朝から晩まで勉強してテストもあったんですよ。それからお店がオープンして、実際にお客様にヘッドスパを行うようになったのですが、当初は講習で教えられた通りに施術していました。それと同時に本などで、さらに知識を吸収したり、実際に自分でマッサージをしてみて気持ちのいい場所などを探しているうちに、よりよい方向を模索しながら少しずつですがアレンジをするようになりました。お客様ひとりひとり違うのがわかってきたので、工夫をしながら取り組むようにしています。知れば知るほどヘッドスパは奥が深くて難しいですが、本当に楽しい仕事だと実感できるようになりました。よりよい施術をしていくためには、アロマやマッサージ、リンパの仕組みなどまだまだ勉強をすることがたくさんあります。でもいろいろなツボがわかっているだけではいいマッサージにはならないと思うんです。心を込めて、お客様にマッサージをするという気持ちが一番大切ではないでしょうか。

  多くの方に、ヘッドスパをもっともっと知ってほしいという気持ちが強くありますね。美容室よりも、まだ足を運びにくい場所だと思うので、気軽に訪れることのできる雰囲気作りをしていきたいと思います。接客は、笑顔でお客様に接することを何よりも心がけています。特に男性のお客様は、気恥ずかしいのか落ち着かない様子の方が多いのですが、必ず目を見て話をするようにしています。お店は７月７日にオープンしたのですが、リピートしてくださるお客様が、少しずつ増えてきました。ヘッドスパは、一度施術しただけでは効果が続かないものなので、なるべく継続をしていただけるような努力を行っていきたいですね。今は、社会人としての生活にもようやく慣れてきたところなので、趣味を楽しむような時間がないんですよ。休みの日は、マッサージに行ったり、体のケアをしていることがほとんどです。もう少し余裕が出たら、大好きなヨガやスポーツを再開したり、旅行に行きたいですね。でもやはり、今は仕事を頑張ることが一番です。やさしいオーナーやスタッフ、そして私のことを一番に考えてくれている両親に感謝しながら、毎日働かせていただいております。