軟毛をボリュームアップするカットテクニック
細くて柔らかい『ネコっ毛』には、パーマをかけてボリューム感を出すのがベストですが、事前のカットでボリュームが出やすい状態に整えておくことが大切です。ここでは、毛先の厚みと内側からの浮遊感がでる質感カットを行って、ナチュラルなスタイルにカットします。
Before(カウンセリング)
毛量の少ない軟毛にボリューム感を与える!
毛量が少なく軟毛で細い髪質です。ペタンコになりやすいので、カットで浮遊感を与えて、バランスを整えながらボリュームアップのカットを試みます。
アドバイス/Xel-Ha,afloat-f 宮村浩気さん
軟毛で毛量が少ない、いわゆるネコっ毛の人には、パーマをかけてボリューム感を与えたいところです。しかしその前に、事前のカットでボリューム感が出やすい状態に整えておくことが大切です。まず、ベースカットではアウトラインをチョップカットでラインをぼかし、さらにパネルを取った毛先を扇状に指で広げてカットします。こうすることにより、カット面にナチュラルな厚みが出ます。また、内側は量感を調節して、最後にトップの内側にハサミを開いたままでストロークカットをし、逆毛を立てる要領で浮遊感を与えます。ドライカットは単にドライヤーで乾かすのではなく、きちんとドライブローをして一度スタイルを仕上げてからカットするのがポイント。そうすることで、的確な毛量調整が可能になります。
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技術プロセス解説
1.ベースカット。ベースカット用シザーズで、アウトラインをカット。チョップカットでラインをぼかす。
2.トップのカット。髪が落ちる位置を計算してセイムレイヤーでカット。アウトラインと同様にチョップカットでラインをぼかす。
3.トップとアウトラインをレイヤーでつなげる。指で毛先を扇状に広げて、ラインに2〜3cmの厚みを出す。
4.サイドのカット。耳があるのでパネルを10度リフトアップしてアウトラインとつなげる。
5.トップとサイドをレイヤーカットでつなげる。ここでも毛先を扇状に広げてチョップカットをして厚みを出す。ベースカットの終了。
6.ドライカット。しっかりとブロードライをして、重い場所を確認。後頭部から毛束を取り、カーブ笹刃シザーズを使って根元からストロークカット。
7.ていねいに毛先までストロークカットをすすめ、量感を削る。
8.さらに、髪が溜まりやすい後頭部の上部をエフェクトカット。量感を指で確認しながら、内側に浮遊感を出す。
9.フェイスラインのカット。毛束を取り、前方をスライドカット。毛先に細かいレイヤーを入れる。
10.前髪をストロークカット。毛束を少し後方に引き出して、中間から毛先に柔らかさを出す。
11.トップの内側をストロークカット。ボリューム感が出やすいハチ上の毛量を削る。決して表面には入れないこと。
12.トップの毛量調節。ハサミを開いたまま逆毛を立てる要領で、トップの内側をストロークでカットする。
13.カット終了。この後、アイロンでカールを作りスタイリングする。
After/内側に浮遊感と毛先に厚みを与えてソフトに
ベースカットは、アウトラインをチョップカットで毛先をぼかして全体をレイヤーカット。さらにドライカットでは、ストロークカットやエフェクトカットでボリュームを調整し、スライドカットで細かい顔まわりのディテールを作りました。ボリューム感をアップさせるために、毛先を扇状に広げてカットして厚みを出すのがポイントです。