1998年にapishを設立。サロンワークを中心に、独自の技術理論で全国各地のセミナーやヘアショーに出演。薬剤や美容機器の研究開発にも携わり数々のヒット商品を生み出す。TV出演やコンサルティングでもその発想で活躍中。
株式会社アートクライム
代表取締役
野村知靖さん
従来の発想にとらわれない独自性豊かな商品創りと、より多くの方々に喜んでいただける商品創りをモットーに多彩な美容商品を開発。3Dメッシュシートやピュアマーメイドの他に高品質のエクステンション「マテリアルG」なども開発し好評を得ている。
立体的な質感パーマを実現する画期的なメッシュシートと髪に優しいカーリング剤。
無香料・無着色の重炭酸タブレットで古い角質や汚れを浮かせ、頭皮を洗浄してツヤとハリを与えます。
株式会社アートクライム TEL.052-339-0903
より自然なカールを形成し機能性に富んだ3Dメッシュシート
野村/今回、3Dメッシュシートとピュアマーメイドを使ってコラボレーションをしていただきましたが、apishに来店されるお客さまはパーマに関してどのようなご要望をお持ちですか。
坂巻/最近、増えているのは髪のお悩みを解消してほしいというご要望ですね。昔は、可愛くなりたいとか大人っぽくなりたいからというデザインありきのご注文でした。ところが今では、その前にクセや髪質でのお悩みを解消して、それからトレンドのデザインにしてほしいという方が多いです。
野村/今年はパーマでどのようなトレンドをご提案しようとお考えですか。
坂巻/今年はツヤ感のあるパーマヘアをおすすめしたいです。ただし、ツヤといってもパーマの場合はテカテカしたツヤではなくドライなツヤ感です。パサつきを抑えたしっとりしたツヤで、束感カールとの相性を引き立てるのが今風と考えています。そんなパーマを実現するために、この3Dメッシュシートは最適なアイテムだと思います。
野村/この3Dメッシュシートは、当社のモットーである独自性と利便性を追求して、他社にはない商品として開発しました。例えば、パーマに関しては多彩なロッドが商品化されていますが、既存のロッドを使用してグラデーションのあるカールを作ろうというのが発端です。実際に使用された実感はどうでしょうか。
坂巻/均等できれいなカールよりも、自然なカールを作る時に重宝しています。従来のワインディング技術を工夫すれば自然なカールは作れますが、この3Dメッシュシートを使うと手編みの編み物のようなよりナチュラルなリッジ感が表現できます。
野村/このシートの厚さは3mmで、ワインディングすると1回転ごとに6mmずつ太くなります。そのため、毛先はリッジの効いたカールで根元はふんわりしたカールになります。ただし、メッシュ状のため均一にはならないので、それがより自然なカールとなって立体感を与えています。この3Dメッシュシートの操作性に関してどうですか。
坂巻/このまま使用することも可能ですが、厚みがあるので慣れない場合は、毛先を入れ込む際にペーパーを併用するとスムーズにワインディングできると思います。あるいは、アイロンを使って約150℃の熱で先端1cmくらいをつぶせば毛先も簡単に入れ込むことができますね。
野村/薬剤の浸透性や中間水洗での効率性に関してどのような実感を持たれましたか。
坂巻/最近はサプリメント的な成分を配合して粘性のあるパーマ剤が増えています。そんな薬剤を使用する際に、毛先までしっかり水洗できているか不安になることがあります。しかし、このシートはメッシュ状になっているのでしっかり1剤が流せるので安心できます。当然、2剤の浸透性もいいのでつけ漏れの心配もないですね。
新カーリング剤と重炭酸SPAの効果でさらに美しいパーマヘアに
野村/今回、薬剤として使用していただいたピュアマーメイドは、トリートメントベースに還元剤としてシステアミンとチオを併用したカーリング剤です。配合成分の働きにより、還元成分の毛髪内部への浸透を補助し、毛髪を保護・修復します。この薬剤を使用された感想はいかがですか。
坂巻/しっかりとパーマがかかりながらも、手触りや風合いが実にいいですね。ただ単にパーマがかかればいいという薬剤ではなく、その仕上がり感に満足しています。ダメージ毛でも安心して使える薬剤といった印象です。
野村/形成されるカールの形状に関して、使用するロッドと仕上がりのカールとのギャップについてどのような実感を持たれましたか。
坂巻/パーマプロセスにおいて、テストカール、ロッドアウト、プレーンリンス、ドライといった各段階でカール感の誤差が少ないと感じました。従って、技術者にとって計算しやすい薬剤だと思います。
野村/本来はデジタルパーマの薬剤として開発しましたが、つけ巻きでデジタル加温をしてもダメージが少なく、しっかりしたリッジを再現するのが特長です。さらに、3Dメッシュシートとの併用で相乗効果を発揮します。この薬剤もクリーム状なので、カールがほしい部分にピンポイントで塗布できるメリットがあります。
坂巻/このパーマプロセスでは、重炭酸SPAのタブレットを使用した中間水洗でさらに美髪効果を発揮することができました。
野村/重炭酸タブレットは、重炭酸イオンと炭酸ガスが発生する入浴用のスキンケアタブレットで、ヘッドスパとして応用しました。既存の炭酸泉スパは機械を導入しなければいけませんが、これは専用のシャワーヘッドにセットするだけで炭酸泉の効果を発揮します。これにより、残留アルカリや頭皮の皮脂とシリコンを除去し、頭皮や毛髪をしっとりなめらかにします。
坂巻/実際に使用してみて、根元5mmの立ち上がりが髪本来の力で蘇っているように感じました。それは、頭皮や毛穴の不純物をしっかり除去されている証拠ですね。トリートメント効果もあり、髪にハリコシが生まれているようです。
野村/今ではさまざまな商品が開発されていますが、今後パーマヘアの提案がどんどんできるように、そのきっかけとしてこれらのパーマシステムを各サロンで活用していただきたいですね。
坂巻/お客さまにもっとパーマに関心を持っていただくためには、新しいアイテムを応用して我々が魔法をかけるようにデザインを手がける必要があると思います。そのためのアプローチやプロデュースも大事でしょう。そのきっかけとして新しいものにチャレンジして新鮮なヘアデザインをこれからもご提案していきたいですね。