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テルアビブ
新シリーズ"Hello! from the world"は、世界の様々な街からのファッション・レポートです。
第6回は、地中海にある町テルアビブ。私たちにはパレスチナのテロ攻撃を受ける街というイメージが
強いのですが、現地で30年暮らす名村久子さんが、陽気で美しい、普通の街テリアビブの写真とお便りを送ってくれました。
街のファッションスナップ Hello! from the world VOL.6
ヒップにかけたバギーパンツ
黒のロング・ショルダーバッグがアクセント
 地中海に臨んでいるため、テルアビブはほとんどが夏と冬の気候で、秋はとっても短いです。だから11月の初旬の今日も、昼間は陽射しが強くてまだまだ汗ばむくらいなんですが、来週になったら温度がグンと下がって、みんなコートを着ていると思います。
 さてテルアビブの中でも、ここシェインキン通りは、道の両側に可愛いブティックやお洒落なカフェの建ち並ぶ、とってもファッショナブルな「イン」なところとして、若い人たちに人気のある街です。そんな中でお昼頃、このシェインキン通りで見かけたのが、このタルさん。真っ白なノースリーブのブラウスにワイドパンツ、それにサンダルも白で揃えてました。大きめなブレスレット類にいくつものチェイン風ネックレスもアクセントになっていて、ピタッと決めてます。黒いロングヘアを無造作に後に束ねたヘアスタイルも、目鼻立ちのくっきりした彼女にぴったりで、着ている服にも馴染み、とってもいい雰囲気を作っていました。
タルさん
厚めバングのアップスタイルが、彼女の大きな目をとても個性的に引き立てています。
※画像をクリックすると拡大されます。
タルさん
ジャンヌさん
 
グレーのトーン・バリエーションが
シャープで、それでいて柔らかでフェミニンな装い
 テルアビブの南の一角は下町で、まだまだ古い建物が残っているところですが、ジャンヌさんはそんな建物のひとつをカラフルにリフォームした部屋に住んでいます。イスラエルはユダヤ人なら誰でも移民できる国のため、全世界からのユダヤ系移民がいて、色んな「顔」が見られますが、このジャンヌさんも旧ソ連、現在のラトヴィアで生まれ、8歳の時に家族とイスラエルに移住してきました。テレビ映画やコマーシャルのコスチュームの仕事を担当している職業柄、彼女の着ているものには独特のムードがあります。ダークグレイのランニング風ブラウスに、薄いグレイのロングスカート、その上からチャコールクレイのコート風ロングシャツを羽織っています。肩のあたりまでのダークなカーリーヘアは、フワッと顔を覆ってますが、このヘアスタイルは陰の努力があってこそ、ごく自然にさりげなく見えるんです。
ジャンヌさん
スパイラル・カールのミディアムヘア。マロン・カラーと相まって、やわらかなウェーブが大人の女性を感じさせます。
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about food
【 ファラフェル 】
 日本の屋台のラーメン屋さんみたいな、大衆的で安い食べ物がこのファラフェルです。もともとファラフェルと言うのは、ヒヨコ豆をつぶして、スパイス類やパセリのみじん切りといっしょにぺ−ストにしたのを、直径3センチくらいの団子に丸めて揚げたもの。これ6個を、ピタと言う丸くて平たくて、中が空洞になっている中近東のパンの中に、スパイスの効いた色んなサラダやペーストといっしょに詰め込んだのがファラフェル・サンドウィッチ、これも単にファラフェルと呼ばれています。お値段はピタ一個分ので約250円。ピタ半分のサイズでも注文できます。ファラフェル屋さんは飾り気のない、大衆的なところで、ストールに腰掛けて食べられるところもありますが、立ち食いのみのところも多いです。たいていファラフェル以外にも、ピタに焼き茄子とか挽き肉団子をはさんだのも注文できます。味は全体に辛め、スパイスが効いていて、ファラフェル団子はちょっとカレー風味です。

ファラフェル
イスラエル
 イスラエルは緯度でいうとちょうど九州くらいの位置にあり、全体で四国ほどの大きさの国です。1948年にイギリスの委任統治終了とともに共和国になり、中東紛争の焦点になっています。テルアビブの町は、近郊のベッドタウンも含めると人口100万以上の、イスラエルで一番大きな都会で、経済、文化の中心になっています。
■Reporter
 東京生まれの名村久子さんは、イスラエル文化に憧れて移り住み、もう30年もテルアビブで暮らしています。日本では、テロ攻撃の的になるちょっと恐い街という印象なのですが、実際はとっても活気のある陽気で美しいところだとか。名村さんは現在、指圧や霊気などを学びながらリフレクソロジーとして働いています。




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