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Bucharest
“Hello, from the world!”は、世界の様々な街からのファッション・レポートです。
第34回は、ルーマニアの首都ブカレスト。私たちにはシャウセスク独裁政権下の悲しいイメージが
残っているのですが、現地でガイドをしている貫名信行さんが、
躍進し始めた新生ブカレストの写真とお便りを送ってくれました。
街のファッションスナップ Hello! from the world VOL.34
 現在ブカレストはようやく冬が到来したかのような寒さが続いており、朝晩は氷点下です。ただ例年この時期は、比較的雪の少ないブカレストでも既に雪模様なのですが、全く降っておらず、今年は暖冬のようです。
 街はクリスマスを控えてライトアップが行われており、見る人々を和ませています。共産主義から脱却して15年、ブカレストは日々変化しており、今後の発展が楽しみです。
エレガントなピンクのショートジャケットも
黒の七部丈パンツとアンクル・ブーツで
アクティブキュートに
 ブカレスト市内に住むラモナは21歳の大学生ですが、同時に歯科医院に勤務しています。今日の彼女は、ルーマニアで今一番旬なピンクのジャケットを使い、短めのパンツにアンクル・ブーツでアクセントを入れた、シンプルだけどその中でしっかり流行を取り入れ、自己表現をしているファッションです。北海道とほぼ同じ緯度にあるルーマニアの冬は、厚手のセーターや手袋、毛糸の帽子等が必需品なのですが、撮影した日はルーマニアの冬では珍しいくらいの温かさだったので、比較的薄着です。
 ヘアは、最近こちらではブロンドよりもブラックが主流となっており、ラモナも自然なブラックに薄いメッシュでアクセントを入れています。
ラモナさん
ナチュラルウェーブのミドルへア。すそにレイヤーを入れて軽やかな感じに。サイドから流した前髪も、自然なウェーブで理知的なイメージを引き立てます。
※画像をクリックすると拡大されます。
ラモナさん
アルジャーナさん
襟と袖口のフワフワボアと、
真っ赤なマフラーにショルダーバッグ
雪の日にハッと目を引きそうなウィンターファッション
 やはりブカレスト市内に住むアルジャーナは、この秋にブカレストに大学入学のためにやってきた19歳の学生です。今日の彼女は、寒いブカレストの冬をしのぐための厚手のブルー・コートを、上手くジーンズと合わせています。またボリューム感のあるマフラーとコートのフワフワとしたウールを上手にコーディネートして、上半身のバランスを上手く取りつつ、マフラーやバッグの赤と、コートやジーンズの青とのきれいなコントラストで、彼女の若さを一層ひき立てています。今、若い人たちの間で流行のキャップもなかなかいいですよね。
アルジャーナさん

ワンレングスのストレート・ロングヘア。ダークトーンのマロンブラウンが優しい雰囲気です。
※画像をクリックすると拡大されます。
about Bucharest
【 クリスマス 】
 
ルーマニアのクリスマスは、12月20日前後から子供たちによる「コリンドー」と呼ばれる行事が始まります。それは子供たちが各家庭を周り、クリスマス用のお菓子やパン(コゾナックといわれるケーキやコブリッジといわれるリング状の堅焼きパンの一種)などをもらう行事で、子供(天使)に贈り物をする事によって幸運が訪れると言われています。「コリンドー」をするのは3歳ぐらいから14歳ぐらいまでの子。連日自宅まで代わりばんこで歌いに来るので、応対するのが大変です。子供にとってはいいお小遣い稼ぎなので、みんな張り切っています。
【 アテネ音楽堂 】
 
芸術の盛んなルーマニアで代表的なコンサートホールです。シーズン中はほぼ毎日クラシックコンサートが開催されています。ちなみに昨年には小澤征爾さんがここでルーマニアのジョージ・エネスク交響楽団を指揮し、盛大なコンサートを行いました。
アテネ音楽堂
アテネ音楽堂
【 旧共産党本部 】
 1989年12月の革命時に、民衆を前にしてここのバルコニー(国旗に囲まれた場所)で演説中のチャウセスクが、身の危険を感じ屋上から奥さんとともにヘリコプターを使って逃げた場所として有名です。その後はご存知のように郊外で捕らえられ射殺されました。
旧共産党本部
【 プラザ・ルーマニア 】
 先月オープンしたばかりのブカレストで最大級のショッピングモールです。この日は子供たちがクリスマスキャロルを歌い、天使の衣装を着たスタッフが、クリスマスプレゼントに奔走する買い物客に、和やかなムードを提供していました。
プラザ・ルーマニア
プラザ・ルーマニア
ブカレスト
 ルーマニアの首都ブカレストは人口295万人、20世紀初めには「バルカンの小パリ」と称されるほど美しい街並を誇っていましたが、その後の共産党の独裁政権で古い教会や歴史的な建築物などは、次々に破壊されてしまいました。面影を残しているのは、旧市街の一部と凱旋門に続く通りでしょうか。古くは商業都市、近年は工業都市として、EC加盟へ向け躍進を続けています。
Reporter (貫名信行さん)
 ルーマニア滞在歴2年半で首都ブカレストに在住。ルーマニア人の家内との間に3ヶ月の娘がいます。現在旅行会社に勤めながら、空手道場にて和道流空手道を指導しています。空手を通じて日本の優れた文化を伝えて、これからのルーマニアを背負って立つ人材を育成中!です。ぜひルーマニアにもいらしてください。




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