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Conakry
“Hello, from the world!”は、世界の様々な街からのファッション・レポートです。
第42回は、アフリカ西岸の共和国ギニアの首都コナクリから
渡邊咲耶さんが、写真とお便りを送ってくれました。
街のファッションスナップ Hello! from the world VOL.42
 ギニア共和国の首都コナクリは1年を通して大きな気温差はなく、平均気温は30℃です。でも日本のように湿度が高くないので爽やかな風が吹くことも多く、日陰にいればしのげる暑さです。5月から11月までが雨期、12月から4月までが乾期にあたります。2、3月にはほとんど雨が降らないのですが、世界的な異常気象が原因なのでしょうか、今年はかなり雨が降りました。
 近頃は世界的にも、そして日本でもアフリカの音楽や舞踊が注目されていて、乾期の今の時期、多くの日本人を含む外国人がギニアで音楽や舞踊を学んでいます。
黄色とブルーのプリントに大胆なデザイン
大地に合うのは、やっぱりエスニック・スタイル
 ラーレン・バングーラさんは18歳。バレエ・マタンという舞踊団に在籍するダンサーです。でもまだなりたてなので土曜、日曜はお休みですが、その他の日は昼から夕方まで毎日練習をしています。
 ギニア女性のファッションは、市場で好きな布を選び、それをテイラー(仕立て屋)に持って行って、自分の好きなデザインに仕立ててもらうのが一般的です。だから市場には布屋さんがたくさんあって、テイラーも街の至るところでお店を開いています。今日彼女が来ている服は、チュニックブラウスに巻きスカートのツーピース。袖の下に大きな穴が空いていて、これは現在流行のデザインなんだとか。とっても似合っていますよね。大きなハートのかたちのピアスもポイントです。彼女は大ぶりのピアスが好きなんだそうです。
ラーレン・バングーラさん
 ターバンの下の髪には、赤と濃いブラウンのストレートヘアーのエクステンションをミックスしてつけています。ギニアではエクステンションがごく一般的です。髪型を変えるのが大好きなギニアの女性たちはロング、ショート、ストレート、ウェーブなど様々なエクステンションを楽しんでいます。
※画像をクリックすると拡大されます。
ラーレン・バングーラさんラーレン・バングーラさん
カジャさんカジャさん
ギニアの女性は仕立てた服でドレスアップ
ホワイトレースのワンピースはとってもシック
 今年の夏に結婚してフランスに行くというカジャさんは25歳。お兄さんはギニアでは有名なミュージシャンですが、彼女は音楽はやっていません。買い物が大好きな明るい女性です。
 この白いレースのドレスは、私たちには礼服みたいなちょっと特別な日に着るようなものに見えるのですが、でも彼女たちギニアの女性にとってはラーレンさんが着ていたプリントの服と同様、普段着です。これも、自分で布を選び、テイラーで仕立ててもらったもの。レースのエメラルドグリーンと、中に着たワンピースの色を合わせていて、とってもおしゃれですよね。
カジャさん

 彼女のヘアスタイルはミディアムロングのアフロヘア。編み込みやエクステンションの多い中、いたってシンプルなスタイルです。ギニアの女性は服と同じ布を頭に巻くのが一般的で、カジャさんもドレスと同じ布を頭に巻いてより素敵になっています。
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about Conakry
【 マルシェ・ドゥビリカ 】
 ギニアの首都コナクリから車で約1時間半のところにあるドゥビリカという村のマルシェ(市場)です。朝7時、お店の人たちが準備をしています。このマルシェには野菜、果物、米、パン、調味料などの食料品が並びます。主には食料品ですが、その他にも生活に必要なものはたいていマルシェで手に入ります。コナクリは海が近いので魚が豊富にあります。人々の主食は米で、たいていごはんにシチューのようなものをかけて食べます。
マルシェ・ドゥビリカ
【 ドゥンドゥンバ・パーティ 】
 ギニアの人々は様々な機会に踊りを踊ります。ドゥンドゥンバとは音楽のリズムの名前です。このダンスが踊られるのはお祝い事があったときです。この写真は結婚式のためのドゥンドゥンバ・パーティのときのもの。パーティをするときは街の大きな通りに円形に椅子が並べられ、即席の会場がつくられます。パーティには誰でも参加できます。たいていはパーティをより盛り上げるために舞踊団からプロのダンサーが何人か呼ばれますが、参加者は誰でも踊ることができます。音楽の演奏は太鼓のみによって行われます。
ドゥンドゥンバ・パーティ
【 マタン地区の小学校 】
 首都コナクリ市内のマタンという地区にある小学校です。授業はフランス語によって行われています。子ども達は勉強が大好きです。
 ギニアでは小学校の制服があって、女の子の制服にははたいてい赤または青のギンガムチェックの布が使用されます。デザインは自由。男の子はベージュ色の制服で、こちらはデザインも決まっています。襟のついたシャツと、ズボンです。写真はギニアの地理の時間です。
マタン地区の小学校
【 ボクにまかせて! 】
 ギニアの人たちは重い荷物を運ぶとき頭に乗せることが多いです。これは慣れていないとなかなか大変なものです。
 太鼓を頭に乗せて運んでいるのは10才のイブライマです。お兄さんに太鼓を運ぶようにおつかいを頼まれました。この大きな太鼓はドゥンドゥンといいます。ギニアを含めて西アフリカの多くの地域で使用されている太鼓ですべてのリズムのベースとなる音を出す太鼓です。牛の皮が張られていて、木のばちで叩きます。
ボクにまかせて!
ギニア共和国
 アフリカ西岸にある共和国で、1958年にフランス植民地から独立。面積は24.5万平方メートル(日本の約2/3)、人口838万人の豊かな自然を持つ国です。古くから文字を待たなかった西部アフリカの人々は文字のかわりに舞踊や音楽を歴史伝承などの情報伝達手段として用いました。そのため、この地域では舞踊や音楽が発達し、今でも伝統的な音楽や舞踊が人々の生活の中に息づいています。またギニア共和国には数多くのバレエ団(舞踊団)が存在し、伝統的な音楽や舞踊を伝えています。
Reporter(渡邊咲耶さん)
 大阪外国語大学アフリカ地域文化専攻4年生。アフリカの舞踊に興味を持ち、今回2度目のギニア滞在となりました。舞踊と社会の関わりをテーマに卒業論文を執筆中です!




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