
フォルムを整え動きを与えるカットテクニック
毛量が多く『直毛』なので、髪が動きにくい状態です。そこで、フォルムをデザイン的に整えながら動きが出やすいカットを行いました。髪が溜まりやすいセクションには内側からセニング、前髪や顔まわりは印象的に動きが出るように質感カットを施します。
Before(カウンセリング)
直毛で動きにくいヘアにエアリー感とうねり感を出す!
クセのない直毛なので、スタイリングでも動きのない髪質です。そこに、セニングカットで髪に長短を与え、さらにスライドカットでうねりが出るようにします。
アドバイス/Xel-Ha クリエイター 西 一治さん
クセで悩みを持つ人がいれば、逆にクセがなくストンとした『直毛』で悩んでいる人もいます。直毛は髪が曲がりにくく動きをつけることが難しいので、本来ならパーマをかけることをおすすめします。そのためにも、事前のカットでさらに美しいパーマヘアに仕上げるための下ごしらえをする必要があります。毛量が多く髪が溜まりやすい部分は、表面ではなく内側から毛量調整を行います。また、前髪やフェイスラインなど、第一印象を決定づけるセクションは、細かいディテールを作る質感カットが必要です。そのためにも、用途や目的にマッチしたシザーズを使うことで、デザイン作りも作業効率もアップします。ここでは、ベースカット用、ドライカット用、質感・毛量調整用の3種類のハサミを使ってデザインします。
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技術プロセス解説

1.ベースカット。ベースカット用シザーズで、アウトラインをカット。チョップカットでラインをぼかす。

2トップのカット。髪が落ちる位置を計算してセイムレイヤーでカット。アウトラインと同様にチョップカットでラインをぼかす。

3.トップとアウトラインをレイヤーでつなげる。指で毛先を扇状に広げて、ラインに2〜3cmの厚みを出す。

4.サイドのカット。前上がりのラインにするため、パネルを前方にシェイプしてチョップカット。毛先は30度のラインでカットする。

5.トップのカット。パネルは真上に持ち上げてシェイプし、カットラインは45度の角度で前髪を短くする。

6.サイドとトップをレイヤーでつなげる。深めのチョップカットでラインをぼかしながら、ナチュラルな質感を与える。ベースカットの終了。

7.ドライカット。しっかりとブロードライをして、後頭部上の内側の髪をカット。カーブ笹刃シザーズを使って、根元からスライドカット。

8.フェイスラインをスライドカット。顔まわりにソフトな質感を与える。

9.さらに、セニングシザーズでフェイスラインと前髪との間にできたコーナーの量感を削る。

10.前髪とフロントのカット。パネルを真上に持ち上げて、毛先にセニングを入れる。

11.さらに、前髪を前方に引き出して毛先をセニングカット。ナチュラルな質感に整える。

12.量感の重さを感じるハチまわりのカット。パネルの内側をセニングシザーズでスライドカット。毛量調整する。

13.カット終了。この後、アイロンでカールを作りスタイリングする。

After/セニングで髪に長短を与えて直毛に動きをプラス
動きにくい直毛の髪に、セニングカットで長短をつけて動きやすくしました。骨格の張っている後頭部とハチのラインの内側に毛量調整。フェイスラインはスライドカットで柔らかい質感をプラス。パーマやスタイリングで、うねり感、毛流れ、エアリー感が出しやすいフォルムにまとめました。
