レザーカットで美髪フォルム
レザーカットテクニック解説（3）
レザーカットで動きのないロングに束感とエアリー感を出す
ロングで動きがでないスタイルの場合、パーマをかける前のプレカットで質感を与え、パーマの毛流れや束感が出やすい状態にしておくことがポイントです。そうすることで、カールがつぶれずになめらかな動きが表現できます。ここでも、レザーとハサミのコラボレーションでカットをします。
Pick up Item：レザーカットのスタンダード
Before（カウンセリング）
クセのないロングヘアに質感を与える！
細くて柔らかい髪質で、クセもなく動きが出にくい状態です。パーマをかける前に、よりしなやかさが生まれるように、プレカットで束感と質感を与えます。
スタイリストアドバイス：apish／apish Rita 代表 坂巻哲也さん
軟毛でボリューム感や動きが出ないロングヘアの場合、パーマだけに頼ってしまうとウェーブがつぶれて束感が出なくなったり、重さだけが目立ったスタイルになる危険性があります。それらを回避するために、事前のプレカットは大事なポイントです。ここでも、レザーとハサミのコラボレーションカットで、束感と質感を与えます。まず、毛先付近はチョップカットでツヤが生まれるややブラントな質感を出します。毛先を削ぎすぎるとパーマでチリつく恐れがあるので注意しましょう。逆に、表面にかかる髪は、レザーカットでエアリー感を出し、ウェーブがつぶれるのを回避させます。いずれもセクションや部位に適したカットテクニックを応用して、美しい仕上がりになるように計算して施術します。なお、このスタイルには、ウェーブの質感を生かすためミックスカールにしています。
坂巻流テクニックプロセス
1.ブロッキング。オーバーセクションとアンダーセクションに分け、後頭部に三日月セクションを取る。
2.アウトラインのカット。ハサミでブラントにカットする。アンダーセクションは量感が少ないので、アウトラインのみカット。
3.三日月セクションのカット。パネルを水平に引き出してレイヤーカット。チョップカットで毛先のラインをぼかす。
4.さらに、レザーカットで三日月セクションに空間を施す。刃を下に向けて、中間からショートストロークで3カ所カットする。
5.オーバーセクションのカット。パネルを水平に引き出し、チョップカットで三日月セクションとつなげる。
6.オーバーセクションのカット。やや前方にパネルを倒して、チョップカットでモヒカンガイドを作る。
7.オーバーセクション全体を同様にチョップカット。レイヤーカットでつなげる。
8.次に、レザーカットでオーバーセクションに空間を施す。パネルを水平に引き出し、刃を上に向けて中間からカービングカット。
9.さらに、表面から厚み1cmのチップを4本取って中間から1〜2回ウィービングカット。刃を寝かせてレザーの重みで表面をカットする。この後、ドライする。
10.ドライカット。全体をドライして、フェイスラインの毛先にレザーでシャギーを入れる。ショートストロークでていねいにカット。
11.パーマをかけた際に、ウェーブの質感を作るために毛束の内側をカービングカット。表面にかかるオーバーセクションのみカットする。
12.メンテナンスカット。全体のカットを終えたら、表面から飛び出している細かい毛をカットして面を整える。
13.カット終了。この後、パーマをかけてスタイリングする。
After(完成スタイル)
空間カットでなめらかなカールに仕上げる
毛先はチョップカットでしっかりした束感を。表面は、レザーカットでエアリー感を出し、軽さを求めました。空間カットを事前にしっかり施すことにより、ウェーブの束感や毛流れがナチュラルに表現されてしなやかな動きが出ます。パーマはフォワードとリバースを交互に巻いたミックスカールです。
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