硬くて毛量の多い髪は、毛先が広がってまとまりにくいのが難点。そんな時には、 毛量調整をしながらボリュームをコントロールして、毛先はぼかしてソフトな質感を 与えましょう。長い髪からボブに変化させたイメージアップのカットです。
ここでは重さを残しながらソフトな動きを与えたネオマッシュなボブを提案します。ベースカットは厚みの出るグラデーションと表面のレイヤーで、丸いシルエットを作りながら表面に動きを出しました。毛量調整は溜まりやすいぼんのくぼにセニングを入れて量感を落としています。毛先はダメージ部分をカットして、さらにセニングで柔らかい質感をプラス。ベースカットでは、ドライに仕上がった時の誤差を計算して、やや長めにレングス設定をするように心がけてください。
ヘアスタイリストのニーズに応えるハイクオリティの『ジョーウェル・シザーズ』。あらゆるカッティング・テクニックに対応できる、プロフェッショナル専用の最高級シザーズです。
ゴワついて広がりやすい髪を
毛量調整でまとめる
毛量が多く太くてやや硬い髪質です。しかもうねるクセがあり、乾燥毛で毛先に中損傷のダメージがあります。カットで毛量を調整しながら、ゴワついて広がりやすい髪をまとまりやすくします。
1.ブロッキング。重めのスタイルを作るので、イヤーツーイヤーよりやや後ろで分けてサイドを多めに取る。
2.アウトラインのカット。レングスは仕上がりを計算して少し長めに設定。枝毛防止のため、ハサミは45度のチョップカットで断面を楕円にしないのがポイント。
3.バックのアウトラインを切り終えたところ。やや丸みを帯びたオーバルラインにカット。バックは1パネルでカットして重さを残す。
4.バック表面のカット。オーバーセクションはオンザベースでパネルを引き出し、チョップカットでラインをぼかしながらレイヤーを入れる。
5.ミドルセクションはややダウンステムで、パネル下のコーナーをカットしてグラデーションでつなげる。同じくチョップカット。
6.アンダーセクションは丸みのラインでカット。ハサミはブラントに入れるが、毛先はスクラッチ(ギザギザ)でぼかす。バックはつむじ中心に放射状にパネルを展開する。
7.サイドのカット。耳の前まで水平にカットしてバックとつなげる。ここも1パネルで重さを残す。
8.顔周りのカット。耳から前方は丸みを出すため、やや前上がりのラインでカットする。パネルをやや前方に引き出す。逆サイドも同様にカット。
9.サイド表面のカット。バックと同様に、オーバーセクションはレイヤー、アンダーセクションはグラデーションでつなげる。
10.顔周りは厚みを出すため、やや後方にパネルを引いてカットする。きっちりつなげずラインをぼかして柔らかさを出す。
11.前髪のカット。センターラインでパネルを引き出し、45度のアップステムでチョップカット。グラデーションにする。
12.前髪をつなげる。チョップカットで毛先をぼかしながら、顔周りを丸みのラインにする。
13.トップのカット。モヒカンラインでパネルを真上に引き出し、やや前方に傾けて前下がりのレイヤーを入れる。これをガイドにする。
14.トップ表面のカット。モヒカンラインとサイドのグラデーションをつなげる。これをガイドにして平行にパネルを取り前方までつなげる。逆サイドも同様にカット。
15.ベースカットの終了。ドライカットで毛量調整をするのでここでブロードライをする。
16.ドライカット。バックの量感を削るためぼんのくぼにセニングを入れる。手で量感をチェックしながらカットする。
17.テーパリング。オーバーセクションの髪を持ち上げ、表面は切らずに内側のみセニングシザーズでテーパリング。刃先を使ってハサミを手前に引きながらカットする。
18.サイドのテーパリング。バックと同様に刃先を使い、表面を切らないように内側のみカットして量感を整える。逆サイドも同様にカット。
19.前髪のカット。パネルをアップステムで持ち上げて毛先をぼかしながら量感を調整する。
20.フェイスラインのカット。カーブ笹刃シザーズを使って、フェイスラインの髪をスライドカット。毛先のコーナーを少し削る。
21.カット終了。
22.スタイリング。32mmのアイロンで平巻きにして手グシでほぐし、ムースワックスを毛先から握るようにして塗布する。
ゴワついてまとまりにくい髪質をカットでボリュームコントロール。丸みのシルエットと動きを与えてロマンティックなイメージに仕上げています。ベースは、厚みと重さを残したグラデーションで、表面にはレイヤーで動きとまとまりをプラス。さらに毛量調整でスタイリングの再現性を高めています。
◆このスタイルの詳細はこちら>>ロマンティックボブ|afloat-fボブカットテクニック×カットでスタイリングも簡単に