質感をチェンジしながらディテールを作るカットテクニック
硬い髪質で毛量が多い場合、ボリュームのコントロールは重要です。髪の内部の量感と表面の質感作りを
バランスよくカットし、さらに長持ちする柔らかいニュアンスを与えます。

BEFORE:カウンセリング
不揃いな毛先と
硬い髪質をチェンジする
やや太くて硬い髪質で、毛量も少し多いです。また、クセがあり毛先に少しだけダメージがあります。2〜3ヶ月伸びた状態で、毛先が不揃いになっています。ここでは質感チェンジとディテールを作り、数日後や次回の展開を考えたカットを行います。
髪質と時間の経過を計算して持ちのいいスタイルに
今回の取材はapishの皆様にご協力・監修をいただきました。
硬毛で毛量が多いので、量感を確認しながらスタイルを作るためすべてドライカットで行いました。フォルムはカービングカットで空間を与え、毛が溜まりやすい部分(三日月セクションなど)はセニングでボリュームコントロール。また表面やチークゾーンの毛先もセニングでニュアンスを出しています。動きのあるフォルムと柔らかいディテールを同時に作り、さらに前髪は短い毛を作って時間が経過しても持ちのいいカットを行いました。
Pick up Item/使用アイテム
柔らかい切れ味が
体感できる
エスツーシザー
メテオーラ「レジェンダ」

apishオリジナルのカービングカットに最適な『レジェンダシザー』と、抜けがよくスピーディーにカットできる『レジェンダセニング』。プロの要望に応える最高級のクオリティです。毛量を目で確認しながらベースカットとボリューム調整を同時に行うので、ここではドライカットでデザインを作っていきます。
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Technique Process/技術解説プロセス
ネープラインのカット。レジェンダシザーを使い、チョップカットでアウトラインをぼかしながら切り揃える。
アンダーセクションのカット。パネルの中間からカービングカットをして丸みをつけて内部に空間を作る。
POINT.サイドにつなげる。ただし、耳上は薄くなるのでカービングカットは行わない。もみあげはカービングカットを行う。
POINT.三日月セクションのカット。後頭部の膨らんでいる部分を三日月状にブロッキングをする。この部分は最も毛量を削ぐセクション。
中央部分で縦パネルを取り、パネルの下側にカービングカットを行う。
POINT.中央部分は膨らみやすいので、さらにパネルの内部にもカービングカットを行い、2段で削ぎを入れる。
三日月セクションの両端は量感が少なくなるので1パネルでカービングカットを行う。
レジェンダセニングを使い三日月セクションの毛量調整。刃先を使ってパネルの内側をセニングカット。
オーバーセクションのカット。ハチのラインで上下2段に分けて下段からカット。中間からパネルの下側をカービングカット。
POINT.さらにパネルの上側にもカービングカットを行い、量感を削ぎながら毛先を細くする。
パネルの下側のみセニングを入れて、カービングカットのラインをぼかしながら毛量調整をする。
オーバーセクション上段のカット。スタイルの表面にあたるので、この部分はパネルの下側のみカービングカット。
さらに、刃先を使って毛先付近にセニングカット。毛量がかなり多い場合は根元付近からセニングを入れる。
前髪のカット。サイドのつながりや全体のバランスを計算してラインを決める。
POINT.さらに1週間後に伸びた時に毛先の収まりがよくなるように、表面にスライドカットを入れて短い毛を作る。
チェックカット。トップの髪を真上に引き出してレイヤーでつなげる。チョップカットで毛先をぼかす。
カット終了。この後、アイロンで動きをつけてスタイリングする。
柔らかいディテールで髪に動きと立体感をプラス
全体的に丸みのあるフォルムに整えながら、表面の細かいディテールで動きと立体感をプラス。顔を包み込むようなふんわりソフトなショートヘアに仕上げました。前髪とチークゾーンをていねいにカットした、持続性と再現性のあるスタイルの提案です。