これが私の『サロメ』ヘア
Interview アイーダ・ゴメスにインタビュー
>> 「サロメ」の映画と舞台ではどのような違いがありましたか?
「大きな違いがあります。一番の違いは映画はカット、カットで場面で撮影していきますが、舞台は(物語の)最初から最後まで通してやるということです」
>> サウラ監督と一緒に仕事をしてみていかがでしたか? 監督の魅力とは?
「サウラ監督とはすごくいい感じで仕事をすることができました。彼の才能についてはいまさら私が申し上げることもないでしょう。彼はまるで最初のプロジェクトであるかのように、朝から夜まで一生懸命やってくれました。いい仕事仲間です」
>> 「サロメ」では、単にダンサーとしてではなく、演出にも深く関わられたと思いますが、
  映画づくりはどういう役割分担で行われたのでしょうか?
「私がサロメをやりたいと思い、カルロス・サウラに電話をしました。会って話して、彼がプロジェクトを気に入ってくれたので彼と契約しました。稽古を重ねるうち、今度は彼の方から映画にしたいといってきて、彼が私を契約してくれました。だからフィフティ・フィフティなんです。映画は最初からのプランではなく、やっているうちにおこったものです。この映画は舞台を初演するよりも前に撮影されたものです。だいたい4週間で撮影は終わりました」
>> サロメ、という女性を演じてみてどうでしたか?
「サロメは私が理解するように演じました。サロメの本を読んで、それぞれがそれぞれのかたちに思い描いてるのではないかと思うのですが、私はすごく情熱的な女性だと思います。そして自分が何をやりたいかをよく知っている人だと思います。私は私が思ったように演じますが、その情熱だけでも、演じる甲斐のあった役だと思います」 アイーダ・ゴメス
>> もし、サロメとあなた自身に共通点があるとしたらどのような点でしょうか?
「私は愛する誰かの首を望んだことはないですけど。でも共通点があるとすれば情熱的な心でしょうか。私はもっとクールにならなくちゃと思うのですが、情熱的ですし、心の命じるままに、というところは似ているかもしれません。でもサロメと私はまったく違う人物だと思います。でもその全く違う人物を演じるというところに演技の、舞台の魅力というものがあるのではないでしょうか」
>> 映画のなかで「踊っている時が一番幸せ。現実、リアルなものは好きではない」という台詞が印象的ですが、
  その点についてもう少し詳しく教えてください。
「私はすごくラッキーなんです。朝、スタジオに入って、音楽をきいて夢見て、創造することができます。たしかに現実は好きじゃないということもしばしばあります。スタジオで10時間練習している時の方が、テレビで世界のニュースを見ている時よりも幸せです。私は自分の好きなことが出来ることを、とても幸せに思っています」
>> 医者から踊ることを止められながらも、踊り続けた理由は?
  あなたにとって、舞踊とはどういうものでしょうか?
「こういったことがおこるのは私が初めてではありません。特別なことをやったわけではありません。でも小さい時からやりたいことがあって、心にそれがあれば、背中が痛んでも、踊りたいと思う。12人の医者が12人とも、あなたは踊れないし、背中にギブスをはめなくてはいけないと言ったのですが、12人がみな間違っていたわけです。 夢を追うということは簡単なことではありませんが、12人のお医者さんは今、舞台で踊っている私を見て、情熱を感じることができます。たぶん私は他の人よりも痛みに耐える能力があると思います。いつもあっちが痛い、こっちが痛い、といっている人もいますけどね。肉体的な問題も踊ることがテラピーとなり、薬となってわたしはこんなに元気になったのだと思います。もし私が踊っていなかったら、今立てなかったかもしれません」
>> アイーダさんにとってダンスとはなんでしょう
アイーダ・ゴメス 「今は、人生ですね。モチベーションであり、表現であり、セラピーであります。そして私自身がダンスなのです。踊り手のなかにもそういうふうに言わない人もいるでしょう。でも私は踊らない時でも四六時中、振付のこととか、教えることとか、ダンスのことばかり考えています。そしてまたなによりのテラピーでもあるのです」
>> スペイン舞踊と他のダンス(バレエ、フラメンコ、など)との決定的な違いがあるとすればそれは何でしょうか?
「日本文化というと浴衣や着物のイメージが強いように、スペインでもそうだと思うのです。フラメンコを踊る人というとふつうはフラメンコだけを踊っているのですが、スペイン舞踊を踊るためにはバレエ、フラメンコなどいろいろの舞踊を学ばなければならず、より難しいものです。また形も身体の使いかたもまったく違います。私がこんなに長い間踊り続けていてまだ(踊ることに)飽きないのは、それがあるかもしれません。今日はフラメンコを踊り、今度はサロメを踊る、というように、いろんな踊りを踊ることができます。スペイン舞踊というのはすごく豊かな舞踊です。それを踊るためには知識も技術もたいへんなものが必要とされます。スペインも南のアンダルシアと北部とでは(気候・風土が)まったく違うように、多彩な表情があるものなのです」
>> スペイン国立バレエ団の芸術監督を退任した時のことを、話せる範囲で教えてください。
「国立ではいろんな時期をすごしてきました。20年間、第一舞踊手として踊り、3年間、監督を務めたわけです。これで私はもうスペイン文化省に対して義務は果たしたのではないかと思います。わたしの少女期と青春を捧げたわけですから。素晴らしい時も過ごしました。私が知っていることは国立で学び、国立でアーティストとして育ってきたわけですから。30歳で監督に任命された時もたいへん嬉しかったです。でも今は私が好きなことを好きなようにできますし、好きな人を契約できますし、私が思った人を契約することができます。これほど贅沢なことはありません。今が一番いい時期だと思います。政治的なことにふりまわされることもなく、アーティストとして表現したいという気持ちでいっぱいです。今、私はとても幸せです」
>> ダンサーとして綺麗で美しいスタイルを保つ秘訣はありますか?
「母がこんな風に産んでくれたのです(笑い)。ダンスをしているということももちろんあるでしょうね。私は7歳の時から踊っているので、座ってお仕事をしている人とは違うのではないでしょうか。でも遺伝子の方が大きいと思います。とくにダイエットをするとか、ジムに通うとかをしているわけではないのです。わたしは踊っているだけです。あとは、子供がいないということもあるかもしれませんね。子供を産むと体型が変わるとかいいますね。でも本当に特別なことは何もしていないのです。ま、明日どうなるかはわかりませんけれど。その意味では私はラッキーだと思います」
>> 理想の男性像は?
「わかりません。まだみつかっていません。あったこともないです。でも全てをもつというのは不可能でしょう。理想のタイプがどうとか考えたこともありません。考えても、たとえば金髪がいいとか褐色の肌の人がいいといっても、それがいいとは限りませんから。でもアーティストとしてのアイーダ・ゴメスでなく一人の女性としてのアイーダを愛してくれる人と出会いたいと思います。もし出会えたらそのときまたお話しますね」
>> 「サロメ」の映画、舞台を待ち焦がれている日本のファンの人に一言
「沢山の人が待ってくれているというのはその通りでしょう。メールを受け取ったりしていますし。私は約20年にわたり日本を訪れていますが、この映画は心をこめて、そして努力して作ったものです。もちろんサウラ監督の存在も忘れるわけにはいきません。彼の映画の中でも、ダンス映画の中でも最高の作品だと私たちは思っています。二人ともすごく気に入っていますので絶対ヒットすると思います。何故なら心をこめてつくったものに勝るものはありませんから」
(c)2003 NIPPON HERALD FILMS, Inc.
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